中国の雇用は引き続き安定した情勢を保持している。人力資源・社会保障部(省)の信長星副部長は8日、中国国務院政策定例ブリーフィングで今年上半期の都市部新規雇用者数は717万人に達し、昨年同期とほぼ同じ数値となっており、年間目標任務の71.7%を達成し、予測よりも早いペースで達成していることを明らかにした。6月末までの都市部登録失業率は4.05%、それ以前5ヶ月間の中国全土31の大都市都市部における調査失業率は5.1%前後でいずれもやや低いレベルとなっている。人民日報が伝えた。
最近「政府発表の失業率と実情には開きがある」という報道があったが、この件に関し、信副部長は「我々が発表する失業率は実情に基づいており、何ら粉飾も行われていない」とコメントした。
現在、失業率には都市部登録失業率と調査失業率の2種類の指標がある。信副部長は「登録失業率は人力資源・社会保障部がその統計を担当し、失業登録をもとに得た指数となる。すなわち、就業サービス機関に登録された失業者数と、都市部の就業者数を比較し、登録失業率を算出している。この種の統計は就業サービス機関がどのような人々が失業し、失業に至った具体的な原因は何なのか、就業に対する希望は何なのかを理解するのに役に立つ。失業登録は簡単な統計ではなく、失業の原因から就業に対する希望などの内容を詳細まで登録しなければならない。これらは就業サービスを展開していくために提供される。当然ながら、経済情勢を判断する指標としては、登録失業率には欠点がある。なぜなら一部の人々は失業したとしても登録するとは限らず、そういった意味で統計に漏れが生じ、指標としての感度が十分とは言えない」と説明している。
また、登録失業率に比べ、より感度が高いのが調査失業率だ。これは労働力調査をもとに得た指数となる。中国は2009年より31の大都市で月次失業率調査を実施しており、今年はさらに全国すべての地級市(省と県の中間にある行政単位)以上の都市までその範囲が拡大された。しかしこの作業はスタートしたばかりなので、まだまだデータの蓄積が必要となる。
失業率のデータにあまり変化がないことから、その真実性に疑いを抱く人々がいるが、その件に対しては信副部長は「多くの国の失業率を注目してもらうとわかることだが、すべての国の失業率がまるで心電図のように上下に波動しているわけではない。失業率の変化がほとんど見られないという国も少なくないのだ」と説明している。
また失業率の安定さと中国の都市化の進み具合、労働力市場の安定性にも密接な関係があるとしている。信副部長は「実際のところ、失業者数は増加しているのは現状だが、失業率は比較的横ばいの状況だ。重要な背景としては、中国はいまだ都市化へのプロセスが進行中であるという点だ。分子としての失業者数は増加しているものの、都市化の推進に伴い、都市部では毎年新規雇用が1000万人以上増加しており、分母が同時に増加していることで、失業率自体に大きな変化が見られないのだ」と語った。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年7月9日
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