2016年10月12日  
 

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日本人のノーベル賞受賞ラッシュに見る中日両国の大学英語教育 (2)

人民網日本語版 2016年10月12日11:11

中国:大学の英語は「人文教育の一部」

一方、中国の大学は英語の単位は平均12単位と多いものの、そのカリキュラム内容は大学英語4級試験に役立つ一般的な英語の他は、英国や米国の文学、詩歌、概況、中国文化といった英語の知識に限られる。中国と日本の大学の英語教育にこれほどの差がある主な理由はコンセプトの違いだ。日本の大学は、英語を主に専門的な情報を取り入れたり、科学研究の成果の分野における交流を行ったりするためのツールの1つと見なしている。一方、中国の大学は、英語を「人文教育の一部」と見なし、学生の英語のレベル向上のほか、人文の素質向上を目指している。この違いが、教育の方向性にも影響を与えている。日本では学生が英語を使って専門的な学習や研究を行えるようにするのに対し、中国では学生が英語の4級や6級の試験に合格したり、外国の文化を理解したりできるようにする。そして日本では、政府の外国語戦略や専門学科発展のニーズに基づき、大学生が専門的な学習や研究を行うために必要な英単語1万3000語をマスターしなければならないが、中国では「学生の個性に基づく成長のニーズ」を満たすため、大学生に求められる単語数は4級試験合格に必要な4500語だけとなっている。中国の大学の英語教材は、全国統一となっており、内容はその「おもしろさ」に重点をおき、長年使うことができ、何度読んでも飽きないような、著名作家の作品が選ばれている。一方、日本の大学の英語教材は、各専攻学科によって異なり、学術性や情報性に重点をおいている。そのほとんどが学術専門書や定期刊行物の論文が採用されている。日本の大学生は、中国の大学生ほど英語を流暢に話すことはできないかもしれないが、その専門分野における読み書きの能力は中国の学生を大きく上回っている。10年にノーベル化学賞を受賞した日本人2人のうちの一人である北海道大学の鈴木章氏は、まさに日本が育てた科学者で、英語を流暢に話すことはできないものの、テクノロジーの分野の英語の読み書きとなると、非常に高い能力を誇る。筆者は、研究の関係で、何度も日本に行って外国語教育のセミナーに参加しているが、非常に印象深く感じた点が2つある。その一つは、日本の大学の専攻学科の教師、例えば物理や生物などの科学者の事務室の本棚には、基本的に英語の著作や英語の定期刊行物しか並んでおらず、日本語の書籍はほとんどない点だ。2つ目は、そのような教師は外国語を教えているわけではないにもかかわらず、外国語教育に関するセミナーに積極的に参加したり、なかにはグループディスカッションの司会をして、英語教育の質をいかに向上させるかについて話し合ったりすることさえある点だ。


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