柳氏は、「これまでに行った調査研究では、訪問した電子ゲーム関連企業の責任者がほぼ異口同音に『人材が足りない』と嘆いていた。『ネットカフェで人材を探す瀬戸際まで来ている』が、『適当な人がいなかった』とうち明ける企業もあった」と述べ、中国の電子ゲーム産業の現状については、「産業では人材の需給に問題がある。中国の電子ゲーム愛好者は数こそ多いが、ほとんどが単なる遊びで、スポーツや産業としての電子ゲーム競技の各種ポジションにふさわしい人材ニーズには十分に対応できていない。一方では市場での旺盛な人材ニーズがあり、また一方では関わりたい人は大勢いるものの市場の要求には合致しないという現状がある」と指摘する。
ここ数年、電子ゲームは資本が集まるホットポイントとなり、中国の電子ゲーム産業は徐々に巨大な市場規模と産業チェーンを形成してきた。ゲーム産業の定評ある分析統計をみると、2014年の中国の電子ゲーム全体の市場規模は226億3千万元(1元は約15.4円)に達しており、15年は資本の投入が拡大し、ファン経済がさらに顕在化し、通信販売や広告などにおける市場全体の商業化プロセスが加速していることから、市場規模が270億元に迫るとみられ、将来的には500億元を超えることが予想される。こうした背景の下、電子ゲーム産業の生態圏が徐々に形成される見込みだ。産業の発展が直面する最大の問題は専門的人材の不足だ。ネットワークゲームの開発運営企業・完美世界の蕭泓最高経営責任者(CEO)も以前に、「どの分野であれ、最も大事なのは人材だ」と述べている。
多くの大学が電子ゲーム競技専攻を積極的に申請し計画しており、沢山の関連企業が大学と専攻採用に先駆けたやり取りや協力を進めている。多くの「先達」が、「熱い血が煮えたぎる」電子ゲーム少年たちは世間の動きとは逆により冷静になるべきだとの見方を示す。
電子ゲーム競技専攻は一部の人が考えるような「ゲームをしていれば勉強したことになる」ものではなく、「ゲーム中毒者の更正施設」でもない。柳氏はこの専攻での受験を考える受験生やその家族に対し、「電子ゲーム競技の中味や電子ゲームとの違いを明確にする必要がある。電子ゲーム競技スポーツ・管理」の専攻がどのような人材を育成するものか、主にどのような仕事に従事する人材を育成するのかを十分に理解する必要がある。この専攻の学生の総合的な素質に対する要求、特に理数系の水準と言語能力に対する要求は高く、一定のハードルがあることを認識する必要がある」との見方を示す。電子ゲーム競技専攻にトライしようと意気込む少年少女は、この3点を冷静に考えることが必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年10月19日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn