そして、半年間苦労を重ね、業界で少しずつ良い評判を築き、仕事が増えるようになっただけでなく、単価も高くなっていった。また、製作周期も長くなり、提携したいという中国の会社も現れ、少しずつ黒字経営へとなっていった。
これまでに、キャンディーボックスは「進撃の巨人」「ソードアート・オンライン」など、世界で大ヒットしている作品や今年日本で最多興行収入をたたき出している「君の名は。」などを含む、100作品以上の製作に携わってきた。日本で人気となっているほとんど全てのアニメの製作に、キャンディーボックスが関わっていると言っても過言ではない。「仕事が途切れずにずっとあるというのが、業界に評価してもらっていることの最大の証」と朱さん。
朱さんは、キャンディーボックスの経営が安定すれば、活動の拠点を中国に移し、支社を設置して、日本のアニメ業界と共同製作する形で、日本のアニメ業界のプロと直接やり取りし、日本の技術を学ぶ計画という。
また、朱さんは、「日本のアニメ製作には70−80年の発展の歴史があり、成熟した理念と流れがある。一方、中国のアニメ製作の流れは統一されておらず、業界の基準も不十分であるため、連携するのが難しい。その他、中国のアニメ業界の従事者のほとんどが80後(1980年代生まれ)か90後(90年代生まれ)であるのに対して、日本は40代や50代から70代、80代までさまざま。細かい所まで掌握したり、結果を予測したりする点で、豊富な経験を誇る」とし、「日本の文化は世界中で発信されており、アニメもそれに大きく貢献している。中国は、いかにアニメを発信媒体として、中国の文化や思想を世界に知ってもらうかという問題をまず解決しなければならない。技術上の表現方法だけでなく、中国の要素や現代の要素を融合させることで、見る人が無意識のうちに中国の文化に魅了されるようにしなければならない。そのための手っ取り早い近道はなく、地道な積み重ねあるのみ」と語る。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年11月15日
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