商務部(商務省)の沈丹陽報道官はこのほど行われた定例記者会見で、最近の環太平洋経済連携協定(TPP)と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の見通しに対する各方面の評価や見方について、「中国はASEANの中核的な位置づけを十分に尊重することを土台として交渉の各方面とともに協力し、できるだけ早く(RCEPの)交渉を妥結させたい考えだ」と述べた。「京華時報」が24日に伝えた。
このほど閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、21エコノミーのリーダーがアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の集団的戦略的研究の完了に関する批准を行い、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に関するリマ宣言」を共同で発表した。
沈報道官はこれについて、「中国は一貫してアジア太平洋地域の経済一体化と経済グローバル化プロセスの積極的な推進者であり参加者だ。私たちは、FTAAPの集団的戦略的研究の完了とリマ宣言の発表がもつ意義は非常に重大であり、FTAAPが願望から行動へと移る中で、APECに加盟する各エコノミーが集団的行動を通じて実現させた初めての実質的な動きであり、2014年に行われた北京APEC首脳会議での決定に対してFTAAPプロセスを実質的にスタートさせるという力強い反応であり、FTAAPの順調な発展の流れをさらに強化したものと考えている」との見方を示した。
沈報道官は「TPPは途中で挫折したが、RCEPには妥結の見込みがある」と言われていることに対し、「中国は最近の各方面によるTPPとRCEPの見通しに対する評価や見方に注目している。RCEPはASEANが発起し、主導してきた交渉で、加盟国はこれまでに15回の交渉と4回の経済貿易担当相会議を行った。中国はASEANの中核的な位置づけを十分に尊重することを土台として交渉の各方面とともに協力し、できるだけ早く(RCEPの)交渉を妥結させ、アジア太平洋地域の経済一体化の発展に貢献していきたい考えだ」と述べた。
沈報道官によると、「TPPやRCEPの未来の方向性がどうなるにせよ、中国は引き続き改革の深化、開放の拡大をめぐり、『二つの100年』という努力目標の実現をめぐり、中国の国情と産業発展の状況を十分に考慮し、多国間・二国間の貿易の取組に積極的に参加していく。これと同時に、世界貿易機関(WTO)の加盟国と引き続き密接に協力し、多国間貿易体制の役割を絶えず強化し、グローバル貿易のためにより自由で便利な環境を創出し、この地域の一体化プロセスとグローバル経済の発展をともに促進するよう貢献していく」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月25日
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