米国の大統領選挙で当選したドナルド・トランプ氏は21日、動画サイトを通じて、大統領就任から100日間の「行動計画」を明らかにした。それには今世紀初めにスタートした環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱も含まれている。トランプ氏のこの最新の動きを受け、TPPは実を結ぶことなく終焉を迎えるのか。トランプ氏には「代替案」があるのか。トランプ氏はなぜTPPを断固として拒絶するのか。トランプ氏の動きはアジア太平洋地域の経済貿易にどのような影響を与えるのか。
▽「潜在的な災難」を拒絶
トランプ氏は動画の中で、TPPからの離脱を示す意向書に調印するとした。TPPは米国にとって「潜在的な災難」だというのが理由だ。
新華社北米総支社(ニューヨーク)の斉紫剣記者は、「米国はTPPから離脱するというトランプ氏の立場は断固としたもので、これは同氏の自由貿易に対する反感に基づいており、同氏はオバマ政権の自由貿易に関するあらゆる政策・措置を評価しない。トランプ氏はTPPは大げさで中身がなく、米国が損をするものだとみなす。1994年に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)にさえ反対で、かつてこの協定は米国が調印した各種協定の中で最悪の貿易協定であり、TPPと同じく、米国人から仕事を奪うものであり、自分の政府では絶対にこれに従わないと発言したこともある」と話す。
英国紙「エコノミスト」のサイトの記事によると、トランプ氏がTPPを拒絶するのは、オバマ政権が大々的に宣伝しながら基本的には失敗した「アジア回帰」政策の主要な経済綱領を捨て去ったこととイコールであり、アジアの貿易構造の中に人々を震駭させる大きな遺漏を残し、グローバル貿易に打撃を与えることになるという。
日本の法政大学の趙宏偉教授は、「ビジネスの能力が高いトランプ氏は、選挙戦で『米国を再び偉大にする』とのスローガンを掲げた。理路整然と、米国が世界で再び『政治のリーダー』の役割を演じることに反対し、世界でいわゆる『民主革命』が推進されるのに反対し、国内的には『政治的正しさ』に反対し、民主的自由という『精神的糧』に陶酔することに反対した。最近の言動をみると、米国自身の建設に力を入れようとしており、新たな負担軽減、新たなインフラ建設、新たな工業化、新たな雇用創出に取り組もうとしていることがわかる」と話す。
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