中国科学院が発表した情報によると、22日3時22分、酒泉衛星発射センターから「長征2号丁」ロケットで地球二酸化炭素観測科学実験衛星(略称は「炭素衛星」)を打ち上げた。新華網が伝えた。
宇宙から地球上の温室効果ガスの排出を観測している衛星は、現在2基のみとなっており、1基は日本が2009年に打ち上げた二酸化炭素とメタンガスの濃度を観測する「いぶき」(GOSAT)、もう1基は米国が2014年に打ち上げた、大気中の二酸化炭素の濃度を観測する「OCO-2」だ。
今回打ち上げられた炭素衛星は、中国において初の地球の大気中に含まれる二酸化炭素の濃度を観測する科学実験衛星だ。地球規模での気候変動という国際社会が普遍的に関心を寄せる重大問題をめぐり、大気中の二酸化炭素のリモートセンシング観測を切り口とし、ハイパースペクトル・高空間分解能二酸化炭素観測装置、マルチスペクトル雲・煙霧質観測機器などの観測設備を利用する。そして地上データの受信・処理・検証システムを通じ、世界各地の二酸化炭素の分布図を定期的に取得する。大気中の二酸化炭素の反映精度は4ppm以内で、これで中国は二酸化炭素観測で世界トップクラスに仲間入りすることになる。
地球の二酸化炭素の分布状況を調べることの目的について中国科学技術部(省)国家リモートセンシングセンターチーフエンジニアの李加洪氏は「ほかの国の炭素排出データと中国のデータを知ることは、世界的な気候変動における中国の発言権を高める上で重要な意義を持つ。家計を切り盛りするには家計簿が必要だが、中国が自ら観測する炭素排出量がこの家計簿に当たる」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年12月22日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn