夏の夜空を彩るホタルのほのかな光は、多くの人々にとって子供時代の記憶として残っていることだろう。しかしこのような光景を現在の都市空間で見ることはほとんどできない。中国のホタル研究第一人者と称される付新華氏(38)は、中国各地で野外調査を行い、ホタルを16年間も追い続けている。
山東省青島市出身の付氏の正式な職業は、華中農業大学植物科学・技術学院の准教授。付氏は取材に対して「青島市で子供時代を送り、一度もホタルを見たことがなかった。2000年に武漢市で大学院に在学していたころ、初めてホタルに触れた。その時からこの子供時代の記憶や美しい思いが託される虫が好きになった」と話した。
付氏によると普通の人々のホタルへの理解はまだまだ少ない。例えば農民の9割以上がホタルを害虫と思っているが、実はその主なエサはカタツムリであり、益虫に属している。また都市で暮らす子供の9割は、ホタルを一度も見たことがないという。
全世界には2000種以上のホタルが生息し、一部の希少なホタルは絶滅の危機に瀕している。付氏は、中国のホタルの生存状況は楽観できず、全社会が関心を寄せる必要があると呼びかけた。付氏は「一生の時間をかけてホタルの研究を続けるつもりだ。新たなホタル保護方法を考え、生息地の保護から人工繁殖、鑑賞や自然教育を行い、これを全国に広めていきたい」とその思いを語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年12月21日
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