日本を代表する映画俳優の故・高倉健や元歌手で女優の山口百恵などが、1970-80年代にかけて中国でも大人気となった代表的な日本のスターと言うのなら、SMAPは、日本のポップカルチャーを中国で浸透させた先駆者と言えるだろう。90年代以降、SMAPのメンバー・木村拓哉が出演した「ロングバケーション」や「あすなろ白書」などのドラマは、記録的な視聴率をあげて、アジアで一躍有名になった。木村拓哉のロングヘアーや個性的な服装、さらに演じてきたピアニスト、検察官、パイロットなどの役は、全て黄金期の日本ドラマの象徴と言うことができ、アジアの「80後」(80年代生まれ)の間でカリスマ的存在となってきた。日本ドラマが急速に発展したことで、SMAPが中心となるバラエティ番組が、中国の若者の間でも少しずつ人気を博するようになった。SMAPの冠番組だった「SMAPxSMAP」も、中国大陸部や香港地区、台湾地区などで、いち早く「コピー」されたバラエティ番組だった。
SMAPと中国の「縁」はそれだけではない。長年、「韓流」と比べると、日本は「ポップカルチャーの孤島」のようで、ポップカルチャーの分野において、日本の芸能界が積極的に海外に進出させてきたコンテンツや交流は決して多くない。しかし、SMAPだけは例外的存在で、結成後28年にわたって日本の芸能界の先頭を走り続け、その一生懸命仕事をする姿勢や謙虚な態度、キラキラしたポジティブなイメージなどで、多くの中国の若者が抱く日本に対するイメージを大きく変えてきた。SMAPは、中日文化交流にも常に積極的な姿勢を保ち、数少ない中日の民間の架け橋の一つとなってきた。
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