昨年、山東省に住む大学に入学したばかりの女子大生・徐玉玉さん(18)が振り込め詐欺にひっかかり、学費9900元(約16万8000円)をだまし取られ、ショックを受けた心労のあまり亡くなるという悲劇が起きた。今年7月、その事件を起こした主犯格の犯人に無期懲役の判決が言い渡され、個人の財産全てが没収となった。
中国最高人民検察院の統計によると、今年1-9月、コンピューター情報システムに違法に侵入したなどのサイバー犯罪で、検察機関が人民法院(裁判所)に起訴した犯罪は334件、710人で、前年同期比でぞれぞれ82.5%と80.7%増になった。
同院の王松苗報道官によると、中国のサイバー犯罪には犯人の若年化、手口の巧妙化、多様化、犯罪活動が一層組織化、集団化する、被害が一層深刻化するなどの特徴、傾向がある。
王報道官は、「検察機関は現在、特殊詐欺や国民の個人情報の販売、違法提供、違法取得、違法基地局や違法にラジオの電波を飛ばす拠点、スマホの不正プログラムなどの設置・製作、販売、使用などの犯罪行為の摘発に力を入れている」と説明した。
最高人民検察院公訴庁の張相軍・副庁長によると、現在、検察機関がサイバー犯罪を調査する際に、以下のような問題に直面しているという。
①証拠を確保し犯罪を証明することが難しい。不正サイトの多くは拠点を海外に設置しているため、サイバー犯罪を根本的に解決するのは難しく、犯罪を証明するのも難しい。
②法律を適用するのが難しい。サイバー犯罪は新手の犯罪で、犯人らも手口を常に変えるため、捜査が難しい。
③専門の人材が不足している。サイバー犯罪の証拠を押さえ、鑑定し、過失の程度を見極めるには、専門知識が必要で、検察機関がこの種の事件を捜査するには多くの専門の人材が必要。
張副庁長によると、これらの課題を解決するために、効果的な対策を現在講じている。例えば、サイバー犯罪の証拠を押さえるために、最高人民検察院は、逮捕、起訴のための証拠を押さえるための指針を示し、捜査員が証拠を集め、審査する際のガイドラインを提供するなどしているという。 (編集KN)
「人民網日本語版」2017年10月23日
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