現在、世界的にも有名な自由貿易港には、中国香港やシンガポール、ロッテルダム、ドバイなどがある。シンガポールを例として見ると、貿易の通関申告の電子化が実現されているため、99%の申告は10分以内で処理され、それにより毎年約10億ドルのコストを節約することができる。
自由貿易区の建設に参加した浦東政協委員、洋山税関関長の顧紅梅氏によると、自由貿易試験区と比べ、自由貿易港の一つの大きな変化は一線管理の開放度にあるという。情報技術を活用することで、貿易制限措置を取り消しもしくは最大限簡略化させ、さらに国境線での申告手続きを最大限簡略化させ、貿易を最大限便利化させることが実現できる。
専門家によると、貿易制度のほかに、自由貿易港は国際慣例の金融、外貨、投資、出入国などの管理制度を実施することもでき、「国内のオフショア」環境を作ることができるのだとしている。
上海市金融弁公室の鄭楊主任によると、自由貿易港にとって、金融は重要な役割を果たすことができる。例えば、自由貿易港における資金流動の便利な措置を整え、人民元と外貨を一体化する越境資金サービスを最適化し、越境人民元製品の革新度を高め、金融機関が海外融資の方式を革新することで自由貿易港の発展を支持することを許可するなどが挙げられるとしている。業界内の関係者によると、自由貿易港のこれらの特徴は、市場主体の革新活動に広い発展スペースを与え、資本市場にも高度に注目されているという。
自由貿易試験区と同じく、上海市が建設している自由貿易港は国家の対外開放戦略にサービスを提供する点は注目に値する。「一帯一路」(the Belt and Road)の建設と長江経済帯の発展を結び合うことは上海自由貿易港の新たな使命ともなる。
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