将来、高校生、ひいては小学生までが、英語のほかにプログラミング言語「Python(パイソン)」を学ばなければならない日が来そうだ。このほど、山東省で出版された小学6年生向けの情報技術の教科書にパイソンが盛り込まれた。
端的に言うと、パイソンは汎用のプログラミング言語。オランダ人のグイド・ヴァンロッサムが開発した。その一番初めのバージョンは1991年に公開された。さらに発展させることが可能で、適応性があり、学習が容易であるため、パイソンは近年、成長が最も早いプログラミング言語の一つとなっている。「ranked.com」のランキングでは、パイソンは2017年に最も人気だった人工知能プログラミング言語となり、2位は「C++ (シープラスプラス)」だった。
山東省の小学生の教科書にパイソンが盛り込まれたほか、今年、浙江省の高校の情報技術の教科書改革プロジェクトでもパイソンに言及されている。ネット上の情報を見ると、今年9月に高校に入学した新入生が勉強する教科書のプログラミング言語がパイソンに変わっている。
教科書のアップデートのほか、今年10月11日に中国教育部(省)試験センターが発表した「全国コンピューター能力試験(NCRE)のシステム調整に関する通知」によると、18年3月から、コンピューター2級試験に「パイソンを使ったプログラミング」が加えられる。
このように、パイソンを学ぶ人の低年齢化がどんどん進んでいる。
小学生の授業にまで浸透するプログラミング教育
中国の検索エンジン大手・百度の元首席科学者である呉恩達氏は、「プログラミングは誰もがマスターすべき『言語』となっている。特に、人工知能が発展するにつれ、人とロボットの交流が一層重要になり、プログラミング能力が予測可能な将来において、ヒューマン・コンピューター・インタラクションの基礎となるだろう。そのため、誰もが字を書けるのと同じように、誰もがプログラミングできるようにならなければならない」との見方を示している。
実際には、米国でもプログラミングが児童の授業に盛り込まれるようになっており、ひいてはその範囲が幼児にまで広がっている。米国の通販サイト・アマゾンのサイトでは、幼児に見せるプログラミングの教材を簡単に見つけることができる。
昨年、米国のあるコンピューター科学教育ウィークの開幕イベントで、当時のオバマ大統領が出席し、小中学生を前にコンピューターのプログラミングを披露した。ホワイトハウスは、「コンピューター科学普及教育は、米国が今後数十年、イノベーションの分野での優位性を保つためのカギとなる対策の一つ」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年12月14日
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