中国大学伝媒連盟はこのほど中国全土の大学生1049人を対象に「大学生の就職先を決める時に影響を及ぼす要素とは」と題したアンケート調査を実施した。給与と福利厚生などの待遇が重要な要素だと答えた人が84.12%を占めたものの、職場環境(67.38%)、興味(62.37%)、業界の将来性(61.52%)と答えた割合も過半数を超えているだけでなく、就職先を決める時に勤務先と故郷の距離を気にすると答えた回答者も80.11%を占めた。
▽待遇を重視するが、唯一の基準ではない。
中国大学伝媒連盟のアンケート結果によると、就職先を決める時に給与と福利厚生を重視すると答えた人は84.12%を占めている。
中国伝媒大学卒業生の許寒さんは、「就職先を決める時に、給与だけでは判断できないが、その他の条件がどれほど優れていたとしても、給与が低かったら選ぶことは無い。待遇は仕事の基礎となるものであり、従業員の能力を認める形でもあるからだ」との考えを示した。
杭州師範大学教育学院の王雁林教授は、「給与は非常に重要な基準だが、決して就職先を決める際の唯一の基準ではない。一部の卒業生は、給与だけでなく、キャリアの上で将来性のある仕事を希望する傾向がある。単純に目先の給与額を見るだけでなく、やや長い目で考慮しており、これは理性的な考えだと言える」との意見を述べた。
▽興味さえあれば、畑違いでもOK
中国大学伝媒連盟のアンケート結果によると、「就職先を決める時に興味を抱けるかどうかが重要」と答えた人は62.37%を占め、「自分の専攻と一致しているかどうかを重視する」とした人は28.33%だった。
湖北省生まれの柴沢旭さんは広東省珠海市にあるゲーム会社でゲーム運営に関する仕事に就いている。ゲーム産業に興味を抱いていたことが、半年前にこの会社に就職した最大の理由だったという。残業も多いが、彼は自分の興味が精神的な支えになるので、残業しても苦痛にはならないとしている。
今まさに就職活動中の四川省のある大学の高分子学部の4年生である程成さんは、自分の専門に関連する仕事は全く考えていないという。世界のトップ500の会社に入り、経営販売や取引先との関係管理などの仕事を従事したいと希望している。程さんは、「大学1年生の頃から、ビジネスには興味を持っている。特にビジネス交渉に関する仕事に興味があり、学生会の外部連絡部で仕事をしたことで、この分野に興味を持つようになり、また得意だとも言える」と話す。
▽実家への距離を考慮し、新一線都市が人気
気に入った勤務先の選択という点について、取材を受けた人の中で、48.21%は新一線都市を選び、30.04%は一線都市を選択している。また12.3%の人は仕事を考えるときに都市のタイプは気にしないとし、80.11%の人が就職活動をするときに、勤務所在地と故郷の距離に注目すると回答した。
王雁林教授は、大学卒業生が実家に近い仕事を選ぶのは、三つの理由があると指摘し、「まずは保護者の意見で、家から近い場所に子がいてほしいと考える親もいるため。親の考え方は一定程度、子供が勤務先を選ぶ時に影響を与えている。2番目の理由は卒業生の独立性に関する。実家に近いのは、就職や今後の結婚にしても住宅の購入にしても、両親はできる限り手伝うことができる。3番目は、生活と仕事の環境からすると、故郷の環境にはすでに慣れがあり、新しい環境にまた一から適応する必要がないため」としている。
浙江財経大学の指導員、陳思佳さんは、卒業生が仕事を選択する範囲はけっこう広いとし、「毎年就職のシーズンになると、指導員は大量の就職情報を集めてくる。市場では人材へのニーズも高まっている」とした。学生が積極的に試し、自発的に行動し、決められない場合、教師や保護者ときちんと話し合うべきだとアドバイスしている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年12月20日
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