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外国映画の中国語タイトルの固定化 作品のイメージが台無しに

人民網日本語版 2017年11月30日13:47

「リメンバー・ミー」

ディズニー/ピクサー最新作「リメンバー・ミー」(中国語タイトル:尋夢環遊記)が中国大陸部で現在公開中だ。同映画の初日の興行収入はわずか1000万元(約1億6880万円)ほどだったが、次の日には4倍近くにまで跳ね上がった。多くの観客が、この映画の中国語タイトルは誤解を生みやすく、「環遊記」というありふれたタイトルが良作であることを分かりにくくしている可能性があると指摘している。北京日報が伝えた。

ディズニーとピクサーが1990年代に製作した「トイストーリー」は、中国語タイトル「玩具総動員」として中国大陸部で上映された。その後、ピクサーのアニメ映画の多くに、「総動員」がタイトルに使われており、「汽車総動員」(カーズ)、「超人総動員」(Mr.インクレディブル)、「海底総動員」(ファインディング・ニモ)、「美食総動員」(レミーのおいしいレストラン)などが挙げられる。そのほか、「海洋奇縁」(モアナと伝説の海)、「魔髪奇縁」(塔の上のラプンツェル)、「氷雪奇縁」(アナと雪の女王)のように、「奇縁」もタイトルによく使われている。「飛屋環遊記」(カールじいさんの空飛ぶ家)と今年上映された「尋夢環遊記」(リメンバー・ミー)は「環遊」をタイトルに使うという、ありふれた中国語タイトルの映画になっている。

映画タイトルのフレーズがたびたび重なってしまうという事情の背後には、配給会社の宣伝面での商業的な考えがある。映画評論家の張小北氏は、「輸入映画は配給会社が中国語タイトルを決めており、このようなありふれたタイトルにする理由は、ブランドの永続性をはっきりと示すため」と話した。言い換えると、このようなタイトルの翻訳により、中国の観客は新作映画に対して「馴染みやすさ」を感じ、前作映画のレベルを思い出させ、ある程度の興行収入を確保できるということだ。

また、映画評論家の飛鳥氏は、「ピクサーやディズニーをよく知る観客にとっては、このような革新性のタイトルに不満を感じていても、多くの人が作品を見に行くという。その一方で、映画の内容や出品側に対してほとんど詳しくない観客でも、このような馴染みやすいタイトルのほうが、親近感が感じられる。宣伝側がメインターゲットとしているのが、このような観客だ」とし、「様々な観客の心理を総合的に考え、宣伝側は往々にして、このような『俗っぽいが確実に観客を呼べる』フレーズをタイトルに使う作戦を選ぶ」と説明した。

しかし、同じような平凡なタイトルを使用するのは、前作の評判に便乗できるというメリットは確かあるが、「前作と似ているような内容から革新性がない」というイメージとなるデメリットも伴う。観客の劉新さんは、「尋夢環遊記」という中国語タイトルを見て、「夢を追いかける人々を励ます平凡なストーリー」だと想像したが、実際にこの映画で語られているテーマは「家族の絆」だ。劉さんは、「この作品にも『飛屋環遊記』と同じフレーズが使われており、タイトルのイメージと内容がかなり偏ってしまい、タイトルからは作品の良さが全然伝わらなくなっている」と話した。

前出の張小北氏は、「どのような作戦を選んだとしても、タイトルは偏った内容にせず、その映画作品の特徴やストーリーのポイントを伝えられるものにすべき。映画の内容をうまく表現でき、しかも覚えやすいタイトルを考える必要がある」と指摘した。

(編集YK)

「人民網日本語版」2017年11月30日

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