中国貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍部長も、「過去のハイテク商品から現在の商品に至るまで、関税の引き下げが流れとなっている。これは、ハイレベルでの対外開放における、中国の貿易に対する見方が変化していることの表れ。輸出入のバランスが良くなるよう促進すると同時に、中国経済の発展がもたらす利益を国際市場と一層共有できるようになる」との見方を示した。
近年、中国政府は輸入と輸出の両方を重視する姿勢を堅持しており、積極的な輸入関連の政策実施を加速させている。高報道官は昨年11月、「世界金融危機が勃発して以降、中国の輸入額は5815億ドル(約63兆9650億円)増加した。世界の貿易成長の約20%を占める数字で、世界の貿易回復を牽引する重要な力となっている。世界貿易機関(WTO)の統計によると、中国の輸入の増加ペースは世界の平均ペースや米国、ドイツ、日本などの貿易大国のペースを明らかに上回っている。今後5年、中国は総額10兆ドル(1ドルは約109.7円)の商品やサービスを輸入するだろう」と述べた。
今年11月5-10日、中国で第1回中国国際輸入博覧会が開催される予定だ。対外開放が一層進んでいるのを背景に、中国政府が世界に市場を開放する上で重要なイベントとなる。
需要と供給の構造のモデル転換と高度化
特筆すべき点は、自由貿易区の項目下のゼロ関税商品には、中国国内の末端消費品製造に必要な中間商品と原材料もたくさん含まれている点だ。末端商品にしても、中間商品、原材料にしても、中国国産の消費品の構造の高度化が推進されることが期待される。
何氏は、「中国は関税の引き下げを継続して行い、国内取引と貿易との間にある『保護柵』を少しずつ取り払っている。つまり、中国国内の商品の品質や価格と、海外のそれらとの差が少しずつ縮小し、世界と歩調を合わせるようになっているということだ。関税という障壁が低くなり、貿易とコミュニケーションが円滑化され、中国国内の商品のモデル転換と高度化が一層促進されるだろう」と予測した。
関税が引き下げられると、メリットもあるが課題もあり、専門家は、モデル転換と高度化のためにはさらに多くの対策が必要であると指摘している。例えば、越境ECの通関、在庫、物流などの面の円滑化を一層推進し、消費品を輸入しやすいようにしなければならない。また、供給側の構造改革を通して、「メイド・イン・チャイナ」のレベルを向上させ、民族ブランドを強化することこそが、商品を中国国内外の市場で立脚させるための基礎となる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年1月25日
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