春節(旧正月、今年は2月16日)が近づき、大手EC企業は次々に販売促進や割引きのキャンペーンを打ち出している。ここ数年のモバイルインターネットとスマートフォンの普及にともない、ネット通販で過剰な衝動買いをしてしまう人々を指す「手切族」はもはや若者の専売特許ではなくなり、ネット通販のユーザーの中には中高年もその姿を多く現しつつある。「工人日報」が伝えた。
阿里巴巴(アリババ)がまとめたデータによると、2013年には50歳以上の中高年の淘宝(タオバオ)利用者は175万人にすぎなかったが、現在は3千万人に迫り、このうち退職間近の50~59歳の層が75%と圧倒的多数を占めている。
利用者はわずか5年の間に17倍以上増加したが、15年の国勢調査によれば50歳以上の中高年層は約3億5千万人いるため、その数に比べればネット通販利用者はまだごくわずかであり、中高年層のネット通販には非常に大きな発展の潜在力と可能性があるといえる。
特に中国経済の発展や社会保障制度のますますの充実にともない、高齢者の消費観念や生活スタイルもどんどん変化しており、消費観念は倹約や節約を尊ぶ姿勢から楽しみや健康のためにお金を使うという消費理念へと徐々に変化し、その消費規模も拡大を続けている。
ECビッグデータをみると、17年第1~3四半期には、中国の50歳以上の中高年のネット通販消費額は一人あたり平均5千元(約8万4643円)に迫った。
中高年層のネット通販消費の急速な発展が、多くのEC企業に新たな希望を抱かせている。天猫(Tmall)でシルクロードエリアの果物の店舗を運営する席小菲さんは、「現在、若者の一部はネット通販での消費に徐々に疲れを感じるようになっているが、中高年層の発展が売上を急速に押し上げている。私たちが扱う新疆維吾爾(ウイグル)自治区のドライフルーツのうち、大体20%は中高年層が購入している」と話す。
こうしたさまざまな現象から、中高年層は目下、軽視できないネット通販の消費クラスターになりつつあることが分かる。ここから形成されるシルバー経済は、中高年クラスターをネット通販の新たな主力の座に押し上げている。ますます顕在化する中高年のネットでの購買力に直面して、EC企業も次々に対策を打ち出している。淘宝がこのほど打ち出した一家で利用できる「親情アカウント」をみると、ユーザーがこのアカウントを取得すれば、登録が簡単になり、上の世代から下の世代、配偶者も登録してグループを作り、買い物についてやりとりしたり、家族に代わって決済を行うなどの機能が利用できるようになり、中高年層の淘宝に対する「ハードル」を下げている。このようにこれまでネット通販の外側にたたずんでいた中高年クラスターをECの世界に取りこんでいる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年2月14日
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