(2)海外ユーザーの「ペインポイント」を解決
中国製アプリが海外で人気なのはなぜか。APUSは、大変軽く、カスタマイズされたユーザーシステムのためだ。UC Browserは、メモリ使用量が少なく、スムーズで、機能がそろった「一挙多得」であるからだ。SHAREitは、「トラフィックを占有せずに画像や音楽を転送できる不思議なアプリ」とのブランドイメージが無数のユーザーを引きつけたためだ。
機能、特徴、分野はそれぞれ異なるが、海外市場で認められたこうした中国製アプリには共通の特徴がある。ユーザーが何を必要としているかを熟知し、ユーザーの「ペインポイント」を精密に突いていることだ。
日本経済新聞は、中国製アプリのこうした「ユーザー感知力」は、巨大な国内モバイルインターネット市場で鍛え上げられたものだと分析する。
(3)製品からモデルの海外進出へ
中国製アプリの海外進出には(1)APUS、UC Browser、SHAREitなどツール系、ライトな小型アプリ(2)支付宝(アリペイ)、配車アプリ「滴滴打車」、シェア自転車「モバイク」、シェア自転車「ofo小黄車」などビジネスサービスアプリ(3)小米、華為などのスマホ搭載のアプリ――がある。これらのモデルは新興市場、成熟市場、ビジネスサービス、ローエンド携帯、スマート端末の各レベルを基本的にカバーし、中国製アプリの「海外進出マトリクス」を形成している。
シンガポールの裕華国貨でアリペイで支払いをする客(2016年12月11日)
このうち特に注目されるのは、中国製アプリが「製品」から「モデル」の海外進出への飛躍を遂げつつあることだ。例えば、現在、中国のシェア自転車サービスは米国、英国、イタリア、インドなど20数カ国・数百都市で展開されている。モバイクは利用者がすでに世界で2億人を超え、利用数は1日3000万以上、累計走行距離は182億キロメートルを超える。ofoはすでに世界20カ国・250以上の都市で1000万台以上のシェアサイクルを運用し、利用数は1日3200万に達する。
同時に、人工知能やビッグデータなどの技術的優位性により、中国製アプリは海外市場で度々ブームを巻き起こしている。例えば画像加工アプリ「美図秀秀」の「絵画風自撮り」機能は米国で一夜にして人気沸騰し、最近では世界初のスマート絵描きロボットも発表した。同様に独自開発の「人体関鍵点検測技術」などAI技術、国産音楽動画アプリ「Tik Tok」は日本とタイでダウンロード首位になった。
インドの首都ニューデリーの学校で、ofoを利用する生徒(2018年1月23日、撮影・張迺傑)
中国製アプリの海外進出には憂慮される点も少なくない。例えば、中国のモバイル決済アプリは多数海外で使用されているが、多くが中国人観光客によるもので、現地のユーザーは依然少ない。文化的背景、法規の違い、及び知的財産権保護の問題も、中国製アプリの海外進出を悩ませ続けている。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年2月16日
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