冬季五輪の競技においてしばしば「レジェンド」という言葉が用いられるが、この「レジェンド」とはどのような定義があるのだろうか?(文:薛原)
日本のスキージャンプ選手の葛西紀明選手は今年46歳、平昌五輪は彼にとって8回目の冬季五輪出場となる。多くの記者に囲まれながら笑顔で顔をくしゃっとさせた葛西選手を見ていると、まるでタイムスリップしたような感覚に襲われる。
葛西選手が26年間で得た冬季五輪のメダルは、1994年リレハンメル五輪の団体で銀メダル、2014年ソチ五輪の個人で銀メダル、団体で銅メダルとなっている。この成績は「輝かしい」とは言いがたいかもしれないが、30歳前後が黄金時代と言われるスキージャンプの選手のなかで、葛西選手はすでに一回り以上も年下の選手たちを相手に競技していることになる。
葛西選手は、「選手生活を長く続ける秘訣は何もない。悔しさが僕の原動力」と語る。日本のスキージャンプチームは冬季五輪で優勝したこともあり、メダルを一つも獲得できなかったこともあるが、いずれにおいても葛西選手が主役として注目を浴びることはなかった。しかし、1年また1年とスキージャンプを続けていく中で、ついに「レジェンド」と呼ばれるほどの大きな存在になっていった。
葛西選手は、「今回は不甲斐ない結果に終わった。2022年の冬季五輪にはまた絶対出場する」と、何度も繰り返し問われてきたに違いない問いに対し、彼は簡潔に答える。
葛西選手の選手としての意義はその純粋さにある。彼の競技への純粋な熱意とひたむきな姿勢が、選手生活を継続させ続け、そして同時に競技を楽しませていると言えるだろう。このような純粋さは、努力を惜しまず、ひたむきに頑張り続け、困難を克服するオリンピックのその他のアスリートたちにも見られる点だ。そしてこのことが、オリンピックが多くの人にもたらす精神的な財産であり、メダル獲得に関係なく、人々の心にずっと刻まれることだといえるだろう。(編集YK)
「人民網日本語版」2018年2月23日
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