5Gの通信規格が間もなく発表
今回のMWCでは、多くの業界関係者が、成熟した技術と応用を備えていることを前提に、国際的な5Gの通信規格が発表された後、5Gの商用化の段階に正式に突入すると予想している。筆者の複数のルートを通じた取材では、関連の国際組織の通信規格に関する業務状況からして、今年6月には、5Gの初の国際通信規格が発表される見込みであることが分かった。その後、世界の主な通信事業者、通信機器メーカー、モバイル端末メーカーなどの産業チェーンの上流・下流企業がその規格に基づき、5Gの商用化を正式に展開すると見られている。業内関係者は、5Gの初の国際通信規格が発表されるということは、世界の5G産業レースが一斉にスタートすることを意味すると見ている。
中国信息通信研究院の王志勤・副院長は、「現在、多くの国や地域が5Gの商用化を非常に重視しており、米国、EU(欧州連合)、韓国、日本、中国などが、19年下半期に5Gの商用化に向けた業務を始め、20年に正式に商用化されるだろう。5Gの国際通信規格が発表されれば、世界の5G産業の競争が熾烈になるだろう」と予想する。
中国工業・情報化部(省)と三大通信事業者によると、中国では5Gの商用化に向けて着々と準備が進められており、技術研究開発テストが第三段階に入り、18年末には、5G産業チェーンの主要部分がほぼ商用化できるレベルに達し、19年に5Gネットワークの建設が始まり、20年に正式に5Gの商用化が始まる計画だという。
生産額が10兆ドル超へ
今回のMWCでは、多くの業界関係者が、5Gの商用化に向けた準備と商用化により、産業の発展が一層促進されるとの見方を示した。クアルコムが発表した5G産業報告は、35年までに、5Gが世界にもたらす経済的な波及効果は12兆3000億ドルに達し、そのバリューチェーンは3兆5000億ドルの収益を上げ、2200万人の雇用を創出すると予想している。5Gバリューチェーンに毎年平均2000億ドルの投資が行われ、これにより、世界の国内総生産(GDP)は長期にわたって持続可能な成長を見せると見られている。20-35年の15年間、5Gの世界のGDP成長に対する寄与は、インドと同じ規模のエコノミーに相当すると予想されている。
その他、業界関係者は、5Gが商用化されれば、IoVやモノのインターネット、ドローン、クラウドコンピューティングなどへの応用の発展も促進されると見ている。5Gは、世界の通信産業にとって新たな発展のチャンスとなるだけでなく、各種新興情報技術が台頭する機会にもなる。現在、華為や中興、クアルコム、エリクソン、ノキアを含む世界の通信機器メーカーが、5Gをめぐる業務を積極的に展開し、今後の競争を優位に進めようと躍起になっている。
中国信息通信研究院が発表した「5Gセキュリティの需要と枠組み白書」は、30年には、5Gが中国社会にもたらす経済的な波及効果が16兆9千億元(約287兆円)、経済的付加価値が6兆5000億元(約110兆円)に達し、1950万人の雇用創出につながると予測している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年3月1日
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