6月になると、90後(1990年代生まれ)の大学卒業生がキャンパスを離れて家探しを始めるため、一部の卒業生はタイミングをずらして5月から部屋を借りている。80後(1980年代生まれ)や85後(1985年から1989年生まれ)の先輩たちと違い、90後は家電製品がそろい、家具付きですぐに住める「長期賃貸住宅」(長租公寓)をより好む傾向がある。「北京晩報」が伝えた。
93年生まれの紀沢さんは、北京交通大学の2年半の修士課程を修了したばかりの卒業生。ここ1ヶ月ほどずっと部屋探しをし、いろいろ見て回った結果、不動産仲介企業の長期賃貸住宅ブランドの部屋を借りることにした。紀さんは、「これまでのようなオーナーから賃貸する物件と違って、長期賃貸住宅は家賃は少し高くなるが、家具付きですぐ住めるところがいい。金を払ってでも心地よさを追求したい」と話す。
紀さんのように長期賃貸住宅を選ぶ90後の卒業生は少なくない。彼らに言わせると、簡素でスタイリッシュなインテリア、家具付きですぐに住める便利さ、設備の充実が、選択の際に最も重要な要因だという。
北京師範大学4年生の王さんはこのほど就職が決まり、卒業論文も書き終えたので、部屋探しをスタートした。先週末には北京市海淀区の牡丹園駅近くの3LDK物件を見に行き、その1部屋を借りることにした。王さんはこの部屋に非常に満足しており、特に全面フローリングなのが家に帰ったという感じがしていいと話す。
王さんによると、「今、人々の居住環境に対する要求は一般的に高く、節約のために住まいの質を犠牲にするというのは、少なくとも自分にはできない。周りの同級生が部屋を借りる時は、基本的に内装が終わっている長期賃貸住宅を真っ先に選び、やむを得ない場合でなければ老朽化した不人気物件には手を出さない」という。
長期賃貸住宅の家賃は確かに不人気物件よりも高い。同市西城区百万荘の物件の場合、同じコミュニティ内にある2LDKの1部屋の家賃は、仲介企業・自如友家の抱える物件の場合は一月約3800元(1元は約17.3円)、近くの不人気物件の場合は2800~3千元で、約1千元の開きがある。
ただ北京市の現在の長期賃貸住宅市場には、不動産資源の正当性、防火システムの問題などさまざまな問題が依然として存在する。老朽化したコミュニティでは電力使用のピーク時にブレーカーが上がって停電したり、借り手が部屋をスペースで仕切って間貸ししたりするのが、長期賃貸住宅によくあるリスクと考えられている。借り手も専門家も、「長期賃貸住宅は業界の基準と標準を早急に制定するべき」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年5月16日
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