箭扣長城の第2期修繕作業が今月より始まる。今回は北京の観光客が好む「鷹飛倒仰」から「北京結」の約724メートルの区間が修繕される。北京日報が伝えた。
懐柔区文化委員会の関係者によると、第2期修繕はこれまでとは異なり、「遺跡の元の姿を最大限留める」という原則を守る。長城の構造的な安全が影響を受けていたり、崩壊の危険性がない限り、草木一本も動かさない方針だ。つまり新たに材料を追加することはなく、またそうした材料などを山頂まで運ぶ人的負担を大幅に軽減する。
さらにこれまでの財政支出と異なり、今回の修繕の資金源はすべて、熱心なネットユーザーからの寄付となっている。今回の修繕は、長城の修繕に民間資本を導入する初の試み。中国文物保護基金会は2016年9月1日に長城保護公募プロジェクトを開始し、オンライン・オフラインの募金により北京市の箭扣長城、河北省の喜峰口長城の修繕を実施していく。
箭扣長城の多くが断崖絶壁にあり、しかもその周囲には草木が生い茂っている。修繕スタッフは施工現場に到達することすら困難であり、伝統的な手段による調査・修繕・維持には問題も多い。中国文物保護基金会が発表した情報によると、箭扣長城の第2期修繕はインテルのAI技術と最新のドローン技術を採用し、城壁を検査・撮影する。高画質画像やデータ、3Dモデリングにより、城壁の遠隔検査とマッピングを行う。こうした可視化を通じて長城の元の姿を明らかにし、より正確・効率的・タイムリー・安全な手段により修繕が必要な部分を特定する。今回の事業提携はデータ収集・分析・処理を通じ、AIと長城修繕の結合を試み、文化遺産保護に科学技術を用いる新モデルを模索する。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年5月17日
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