今年高考を受けるという河北省・昌黎一中(中高一貫校)の高校3年・王程さんは、「大学を選ぶ時、学校がある場所を重視する。大学に行くというのは、単に授業で勉強するというのではなく、学校がある場所の社会、文化環境もとても重要な勉強材料」と話す。
哈爾濱(ハルピン)一中(中高一貫校)の高校2年・張雪さんは、「南方地方にある大学へ行きたい。南方地方の都市は住むのも快適であり、文化的魅力もあるため、行ってみたい。また、親元から離れて、自立して生活したい。ずっと両親のそばにいるより、違う都市に行ったほうが、自分が好きなものを追求する時間がたくさんできる」と話す。
その他、大学の知名度や設置されている学部の状況なども「00後」が大学を選ぶ際に重視する要素だ。
調査によると、親たちが就職に有利かどうかという点を重視しているのに対して、「00後」の受験生は大学の地域や知名度、自分が好きな学部があるかなどの点を重視している。
専門家「教育改革により選択肢が増加」
「00後」の高考に対する観念にそれらの新たな特徴が見られるようになっているのはなぜなのだろう?教育専門家は、「世代による考え方の違いというよりも、中国の教育体制の改革が、その背後にある主な原因だ」と分析している。
中国教育科学研究院の研究員・儲朝暉氏は取材に対して、「『00後』というのは、単なる時間的な概念であって、それらの若者たち自身に、非常に際立った特徴があるということではない。受験生の進学する大学の選択や判断に対して大きな影響を与えているのは新しい高考改革だ」との見方を示した。
同済大学高等教育研究所の張端鴻・准教授も同様の見方を示し、「『00後』の観念にそのような変化が見られるのは、世代による考え方の違いではなく、教育改革が外部の環境を変えているからだ」と語る。
さらに、「近年、中国の教育システムが四方八方に通じるようになっているのを背景に、高考は1本の『丸木橋』ではなくなっている」と分析する。
張氏によると、近年、中国では教育改革が継続して推進されている。例えば、職業教育の発展、独自の入学試験を実施する大学に一層多くの自主権を付与する、高等教育のグローバル化などに力を入れており、それにより学生の選択肢が増え、受験生らの観念にも影響を与えているという。
その他、「00後」はインターネットがある時代に成長し、その家庭は「80後」(1980年代生まれ)、「90後」(1990年代生まれ)よりも経済的に恵まれ、それらの事情を背景に、受験生は自分の好きなことをしたいと一層考えるようになり、学校は学部を選ぶ際にも、一層自主性が発揮されるようになっていると分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年6月7日
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