(6)アジア勢の活躍は?
前回のブラジル大会では、アジアから日本・韓国・イラン・オーストラリアの4チームが出場したが、この4年間で、アジアからは、韓国ソン・フンミン(孫興民)選手のようなプレミアリーグさらには欧州リーグでも卓越したトップレベルのスター選手が登場し、Jリーグの鹿島アントラーズもFIFAクラブワールドカップで強豪世レアル・マドリッドを苦しめたこともあったが、ナショナル・チームのレベルで見ると、アジアサッカーと世界の強豪チームとの間の差は、ここ数年で特に縮まっているようには見えない。
今大会に出場するアジアのチームは、歴代大会最多の5チームだが、グループ分けを見ると、非常に不利な状況にある。開催国と同グループのサウジアラビアは、すぐに「消えていく」チームの一つとみられており、日本、韓国、オーストラリア各チームは、どのグループでも、相手を打ち負かせるような実力は備わっていない。アジアの「兄貴分」であるイランは、予選リーグでは好成績を残したものの、スペインやポルトガルと対戦することになる。アジア勢は「勝てない」という筋書きを一部書き換えることができたとしても、決勝トーナメント進出の可能性はかなり難しいと予想されている。
(7)「ダークホース」が暴れるか?
今大会には、伝統的な強豪チームであるイタリアとオランダは出場しないが、客観的に見ると、複数のチームによる「番狂わせ」が起こり、素晴らしい結果を残す「温床」が完成していると言えるかもしれない。過去の大会や予選リーグを見ると、コスタリカ、アイスランド、スウェーデンの各チームはいずれも、「ダークホース」となる素質を備えている。
ブラジル大会では、コスタリカチームはイタリアやウルグアイなど「消えたチーム」の中から頭角を現し、PK戦でオランダの8強入りを阻止した。今大会で、これらのチームがさらに注目を浴びることは間違いないだろう。初出場のアイスランドは、予選リーグをトップで勝ち抜き、自身の欧州選手権での活躍が決して一発勝負で終わるものではないことを証明した。欧州予選リーグでオランダとイタリアを下して勝ち進んできたスウェーデン、この「北欧のバイキング」は、果たしてロシアでも、帆を揚げ遠洋へと漕ぎ出すことができるのだろうか?
(8)「90後」はいかにして「80後」に挑戦するのか?
メッシとロナウドというこの2人の「80後(1980年代生まれ)」は依然、現在のサッカー界で最も大きな統率力を備えたスター選手であることは疑いようもない。だが一方でますます多くの「90後(1990年代生まれ)」もすでにチームの「大黒柱」にとして活躍しているという事実も否定できない。
W杯出場選手リストの中で、「90後」はすでに半数を占めている。ネイマール、アントワーヌ・グリーズマン、エデン・アザールなどの「90後」選手はいずれも、各チームの主力となっている。ブラジル大会では、これらの「90後」の力はまだか弱かったが、4年間の切磋琢磨を経た今、彼らが大先輩に挑戦するタイミングはすでに熟している。
(9)MVPは誰の手に?
メッシからロナウドまで、モハメド・サラーからネイマールまで、ロベルト・レヴァンドフスキからルイス・スアレスまで、五大リーグの最優秀フォワードがロシアに集結する。トップレベルのフォワードは、クラブでのコンディションをどの程度ロシアに持ち込んでいるかが、各チームのW杯の行方を直接左右することになる。
W杯のMVPについて言及するなら、ドイツのトーマス・ミュラーの名前を挙げない訳にはいかない。FCバイエルン・ミュンヘンに所属するこの20代の選手は、過去2大会で得点ランキングトップ10入りを果たし、ワールドカップの現役選手の中で最優秀のストライカーと言える。一時期スランプに陥ったこともあるとはいえ、バイエルン・ミュンヘンのユップ・ハインケス監督の指導のもと、ミュラー選手のコンディションも元来の状態を取り戻した。
(10)優勝の行方は?
出場32チームのうち、頂点に昇りつめるのは1チーム。選手736人のうち、優勝杯を手にできるのはわずか23人。イタリアとオランダは出場権を逃したものの、優勝を目指す人気チームは少なくない。
前大会の王者ドイツ、雪辱を誓うブラジルとスペイン、並々ならぬ実力を持つフランスとベルギー、メッシ率いるアルゼンチンとロナウド率いるポルトガルなど、これらのチームはいずれも栄冠を手にするに足る理由がある。W杯の究極の謎は7月15日に全てが明らかになるだろう。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年6月12日
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