「多国間貿易における自国の赤字問題を関税障壁で解決しようとしても、逆効果になるだけだ」「WTOを回避した米政府の対中追加関税発動は、ルールを基礎とする国際貿易体制を損なう」……ここ数日、中国製品に強制的に関税を課す米側の行動が、国際社会のブーイングに包まれている。
この背景には「国際貿易は競争あるのみで、ウィンウィンはあり得ない」「他国の急速な進展は米国にとって脅威だ。他国の良好な発展は米国にとって災いだ」といった妄念がある。こうした米国の「貿易ゼロサム論」は法則に反する逆行であり、中米の経済貿易協力に打撃を与えているだけでなく、世界経済全体にも大きな不確定性をもたらす。経済貿易協力の礎は優位性による相互補完であり、ゼロサムゲームではない。比較優位論がとうに証明しているように、開放された商品・サービス・資本市場は、関係国の経済成長と繁栄を後押しする。中米の経済貿易協力はまさにこの理論の生き生きとした実践の1つだ。世界最大の発展途上国と先進国である中米は発展段階、経済構造、資源構成のいずれにおいても大きな違いがあり、高度の補完関係を形成し、双方の経済貿易協力の強大な駆動力となっている。米国の得意な高付加価値設計、研究開発活動は、中国が優位性を持つ低コストの生産・組立段階と利害が一致し、深い融合と相互依存の利益共同体を次第に形成している。こうした現実的基礎が「中米は協力すればウィンウィンとなり、争えば共に傷つく」ことを決定づけている。
経済貿易協力の本質は互恵・ウィンウィンであり、勝つか負けるかではない。中米の製品貿易額は昨年5837億ドルに達した。これは1979年の国交樹立時の233倍だ。世界中の重視する巨大な中国市場は、米国企業のグローバルな布陣において日増しに重要な成長推進力、利益センターとなっている。米中関係委員会の最近の報告は、対中輸出が米国に100万人の雇用を創出したことを示した。国際貿易の歴史が再三証明しているように、一方的な保護主義はゼロサムゲームであり、貿易戦争を招くだけで何らメリットがなく、自国の構造的問題の解決にならないうえ、自国の労働者の生活を守ることもできず、さらに世界の数多くの消費者の利益も損なう。最近の米側の行動は、さらに多くの米国企業が世界の注目する中国という大市場を失い、中国の新たな改革開放のもたらすさらに多くのチャンスを逃すことになるだけだ。
経済貿易協力は国家間の盛衰ではなく、共同繁栄を推進する。経済のグローバル化は世界の人々の幸福に関わり、その利益が託されており、共同繁栄の実現を推進する力強いエンジンでもある。中米の経済貿易協力は経済のグローバル化の重要な一部であり、多大な外部効果があり、世界経済の安定に関わる。国際経済大循環の重要な参加者である中米両国の昨年の製品貿易とサービス貿易の総額はそれぞれ世界全体の10.4%と11.4%を占め、世界貿易成長への寄与率は合計18.6%に達した。現在、世界経済の回復は安定した世界投資・貿易活動を特に必要としている。米側が独断専行で保護貿易の圧力をむやみにかければ、国際貿易秩序がかき乱され、経済グローバル化の進行が妨げられるのは必至だ。
現代世界は経済のグローバル化が深く進行し、各国の利害が一致している。人類運命共同体の構築は時代が求める、知恵ある選択だ。最大の先進国である米国には、時代の潮流に順応し、自他共に、そして誰もが幸せになる理念を堅持する責任と義務がなおさらにある。勝つか負けるかで、勝者が全てを得る古い論理を奉じては、必然的に他国を封鎖しようとして自国の道をふさぎ、結局は自国の利益を損ない、自国の発展の基礎を蝕むことになる。
世界には、さらに多くの国々の共同繁栄・発展を受け入れるのに十分な広さがある。米国は「貿易ゼロサム論」を捨て去り、大勢に順応して初めて、世界各国と共に経済貿易協力のパイを大きくし、世界各国の人々に幸福をさらに多くもたらし、発展による利益をさらに多く創造することが可能となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年7月10日
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