グレーのTシャツを着たジョーダン君(6)は5日、自宅のソファに座り、流暢な中国語で唐詩「出塞」をよどみなく暗唱してみせた。アフリカのマラウイ共和国からやってきたこの小さな男の子はこのほど、幼稚園の卒園式で一緒に楽しく過ごしてきた先生やクラスメートの前でこの詩を朗読した。中国新聞網が伝えた。
ジョーダン君は中国で暮らし始めてすでに4年が経った。彼が小さな「中国通」であることは、その一挙一動から窺い知ることができる。ジョーダン君は四川省成都市温江区で両親と一緒に暮らしている。父親のマイクさんは、西南財経大学大学院で経済学の博士課程に在籍中で、母親も同校の学部を卒業している。ジョーダン君一家は、今年末にマラウイに帰国して、中国スタイルの幼稚園を開園させる計画だという。中国語や中国文化のクラスを開設するだけでなく、中国の幼稚園の運営スタイルをアフリカに導入するつもりだという。
マイクさんは、中国スタイルの幼稚園を開園させようと思い立った理由について、「息子のジョーダンの4年間におよぶ幼稚園生活の中に、彼に大変大きな変化が起きた。あっという間に中国語をマスターしただけではなく、自信を持ち明るい性格になった。いまではジョーダンは、家族の中で中国語が最も上手になり、日常生活でいつも両親の通訳を務めてくれている。息子は、古詩と歌曲が大好きで、『宝貝宝貝』、『2頭の虎』、『春雨沙沙』などの童謡がお気に入りだ。ジョーダンが最も得意とする言葉は、今のところ中国語だ」と話す。
そして、「成都の人々は皆大変親切で善良だ。また、食べ物も大変美味しい。2012年に勉学のために成都にやって来たのち、2014年からはジョーダンとも一緒に暮らし始めた。成都で数年間暮らすうちに、この都市が大好きになった。我々家族が最も好きな食べ物はバーベキューで、時間があるときには家で火鍋もよく作る」とした。
しかしマイクさんが中国生活で最も驚いたのは、中国の都市の経済発展スピードだとし、「中国経済が発達していくにつれて、経済のグローバル化発展を推進する上で中国が果たす役割はますます重要になってきている。中国との経済貿易協力をより良い形で進めるためには、中国語の重要性は言うまでもない。マラウイの大学には、中国語クラスを開設しているところもあるが、中国語を教える幼稚園はまだ見当たらない。幼稚園を開園する目的は、中国語教育を通じて、より多くのマラウイ人に中国文化や中国という国家について理解を深めてほしいと考えているためだ」とした。
その上で、「ジョーダンの幼稚園生活を通じて、中国の幼稚園運営モデルの素晴らしい点について身をもって感じた。マラウイの幼稚園は、毎日午前中で終わり、子供たちがより多くの知識を得る時間は十分に設けられていない。このため、私たち夫婦は、マラウイで中国の幼稚園運営スタイルを普及したいと思うようになった」と話す。
まもなく母国へ帰るジョーダン君は中国から離れがたいという気持ちでいっぱいだそうだが、マラウイで幼稚園を開園して中国語を教えるという計画を両親から聞くと、ジョーダン君は笑顔を浮かべながら、「休み時間を利用して、僕も小さな先生になって、多くの子供たちに中国語を教えてあげたい。そしてこれからも時々中国に遊びに来て、友達と会いたい」と話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年7月9日
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