日本の内閣府がこのほど発表した今年第2四半期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動要因を考慮した同期の実質GDPは前期比0.5%増加し、年率換算では1.9%増加した。第1四半期のマイナス成長から一転してプラス成長を達成し、消費と企業の設備投資の寄与度が高かった。日本政府の発表した数値は多くの研究機関の予測値1.3%増加を大きく上回るもので、日本の潜在成長率1%も上回り、ここから日本の同期の経済の力強い回復傾向がうかがえる。だが日本の経済界には、下半期は米国が発動した貿易摩擦などの影響で増加率が低下するのではないかとの懸念が広がる。「経済日報」が伝えた。
経済成長の中身をみると、国内需要が日本経済の上昇を牽引する主要原動力となり、0.6%のプラス寄与だった。外需は0.1%減少のマイナス寄与となった。GDPの60%を占める内需のうち、個人消費は0.7%増加し、自動車、エアコン、白物家電などが大幅に増加した。分析によれば、2010年頃から普及し始めた省エネ家電が買い換え時期を迎えたためという。民間投資は1.3%増加し、増加率は前期0.5%を上回り、4四半期連続の増加を達成した。特に製造業のロボットへの投資が活発で、人手不足の状況の中、企業が設備に投資して人間の労働者に代えようとする動きがうかがえる。建築産業のソフトウェアへの投資も増加した。だが住宅投資は2.7%減少し、4四半期連続の減少となった。公共投資は0.1%減少で、4四半期連続の減少だが、減少幅は縮小した。政府最終消費支出は0.2%増加で、前期の水準を維持した。国際貿易をみると、輸出が0.2%増加し、8四半期連続で増加したが、増加幅は前期より縮小した。輸入は1%増加し、特に国際原油価格の上昇などを受けて、経済コストが増大した。
分析によると、世帯収入の増加が内需を喚起した主な要因だ。日本政府が企業に賃金引き上げを繰り返し呼びかけたことで、18年には大企業で賃金上昇傾向が明らかになっただけでなく、一部の中小企業でも上昇幅が20年ぶり最高の水準に達した。統計によれば、日本のサラリーマンの名目賃金は同4.3%増加し、社会保険料増大分などを差し引いた実質賃金は1.9%増加で、1994年第2四半期以降で最大の増加幅となった。データをみると、長年にわたり外需主導型の経済成長を遂げてきた日本のモデルが一連の転換点を迎えたことがわかる。同期は内需が経済を牽引する主要原動力となり、GDPへの寄与度は2.4%だった。だが外需が減少し、輸出も減少し、これと同時に原油価格上昇などによって輸入額が増加し、最終的に外需のGDPへの寄与度はマイナス0.5%だった。
現在、日本経済が成長を持続できるかどうかが社会の関心を集めている。一方では、原油価格の高騰がガソリン、電力、ガスなどの価格上昇を招き、世帯収入の増加分をかなり相殺している。これと同時に、日本政府は来年10月に消費税率を現在の8%から10%に引き上げるとしており、消費者に与える心理的な影響も大きい。また一方で、国際経済情勢をみると、米国が発動した貿易摩擦が世界経済に暗い影を投げかける。経済協力開発機構(OECD)はこのほど発表した報告書の中で、米国、欧州、中国の関税が10%引き上げられれば、世界のGDP総額は1.4%減少すると警告した。日本内閣府の調査では、機械製造業の今年第3四半期の受注量は減少する見込みだ。BNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は、「米国が発動した貿易戦争がエスカレートすれば、世界にもたらす不確定性が増大する。日本企業の第3四半期の設備投資は慎重になる可能性がある。これと同時に、国際経済環境が日本企業に与える心理的影響がより深刻なものになるとみられる」と予想する。OECDの予想では、世界貿易の停滞リスクがますます増大しており、特に米国が発動した貿易戦争が各国の製造業に大きな打撃を与えることが予想される。米国が輸入車への関税を引き上げれば、日本の第一次産業である自動車製造業が深刻な打撃を受け、日本はGDPの下ぶれ圧力に直面することになる。統計によれば、多くの企業が来年第1四半期の経済情勢はさらに厳しいものになると予想しており、今年第4四半期に経済の「厳冬期」を迎えると予想する企業もある。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月20日
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