13年間の取り組みを経て、中国を含む20ヶ国の73の研究機関の200人以上の科学者がついに、整った小麦ゲノムマップの作成を完了した。この節目となる取り組みは、生産量がより多く、栄養価がより優れ、気候への適応性がより高い小麦の品種を栽培する基礎を築いた。新華社が伝えた。
国際コムギゲノム解読コンソーシアム(IWGSC)は16日、米サイエンス誌に論文を掲載した。彼らは「中国春」と呼ばれる小麦遺伝研究モデル品種を材料とし、小麦の21本の染色体の参考序列を研究・統合し、10万7891の遺伝子の正確な位置を特定し、400万以上の分子標識及び遺伝子発現に影響を及ぼす序列情報を入手した。
小麦は世界の約3割の人口の主食で、人類のエネルギーとタンパク質の20%を賄っている。小麦は米やとうもろこしと並び、世界3大食糧作物とされているが、米ととうもろこしのゲノムマップの作成は長年前に完了していた。
小麦の「遺伝子コード」の解読が難しいのは、小麦ゲノムが膨大かつ複雑であるためだ。人類のゲノムの5倍以上に相当する約160億個の塩基対が含まれる。さらに小麦には3つのサブゲノムがあり、その重複する序列は85%に達する。遺伝子の相似性が高いことなどが、区別と序列の難題となっていた。
科学者は、小麦ゲノムマップの作成により、日照りと病気に強い、生産量が多く高品質な小麦の品種を栽培できると信じている。IWGSCは、世界の人口は2050年に96億人に到達する見通しのため、小麦生産量を毎年1.6%増やさなければならないと指摘した。そのためには栽培面積を増やすのではなく、作物の性質を改良しなければならない。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年8月20日
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