建設中のホテル
上海松江国家景勝地の■山(■人かんむりに示)のふもとに、空中庭園、滝、ガラス桟道、水中客室が一体となった現代化建築物・上海天馬山世茂深坑ホテルがこのほど完成した。同ホテルは深さ約80メートル、サッカー場5面分の広さの採石場に建設され、「世界で標高が最も低い超5つ星深坑ホテル」と呼ばれている。ここが10年以上前は荒れ果てた採石場の跡地だったとは誰も想像しないだろう。人民日報海外版が報じた。
荒れ果てた採石場跡地から高級ホテルへの「華麗な転身」は、上海市の「生態環境の質を改善し、環境にやさしい発展へのモデル転換を促進する」という方針のもとで実現した。それをきっかけに、上海世茂集団は6年の歳月をかけて、その転身実現を担った。
2006年、同ホテル建設プロジェクトがスタートし、ドバイの最高級ホテルのブルジュ・アル・アラブを設計した英アトキンス社のチームが設計を担当した。最高落差約100メートルのこのホテルの建設は、計画から施工、完成後の防火、防水、耐震などに至るまで、難度が非常に高く、ハイリスクのプロジェクトとなった。また、参考にできる前例がなく、設計をめぐっても何度も話し合いと調整が重ねられたため、着工は13年まで遅れた。設計統括プロデューサーは、「これは廃業した工業跡地に新たな機能を与え、再び多くの人に利益をもたらすというまたとない貴重な機会だった」と振り返る。
同ホテルの建築コンセプトは、「空とは逆方向に向かって発展する」で、自然環境に合わせて、地表以下に建物を建て、鉱坑をうまく活用した。同ホテルは、地上部分は2階までしかなく、屋上には芝生が広がり、周囲の山の風景に溶け込んでいる。ホテルは削られた崖に沿ってカーブして建てられており、重要な周辺環境の改善という機能も整っている。天然の滝がホテル前の池に流れ込む景色を作り出すために、汚水は濾過・浄化されたうえで湖に戻される仕組みとなっており、さらに、水を利用して夏は涼しく、冬は暖かくなる効果も生み出している。また、採石場の特徴を活かして、バンジージャンプ、水中レストラン、景色の美しいレストラン、水上SPA、室内プールなども設置され、「自然と融合」という設計コンセプトが存分に発揮されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年8月29日
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