学術誌「ネイチャー」は2月8日、中国科学院植物所の沈建仁氏と匡廷雲氏が率いるチームの論文を掲載し、世界で初めてケイ藻の光合成膜のタンパク構造を解析したことを紹介した。これはケイ藻の光エネルギーを捉え、利用し、光保護メカニズムに重要な構造基礎を提供することになるとしている。科技日報が伝える。
地球上の緑色植物の光合成は主に赤と青紫の光を吸収する。緑の光エネルギーは緑色植物にほぼ利用されない。これがこれら植物が緑色である主な原因となる。しかしケイ藻はやや異なり、例外と言える。
地球上でこれまですでに数万種類のケイ藻が発見されている。ケイ藻は強い適応性を備えており、海洋における赤潮の主な種類の一つとなっている。赤道から両極まで分布しており、淡水や土壌、空気の中でも生息できる。ケイ藻が二酸化炭素を吸収する能力は地球における生態システムの約5分の1を占め、その貢献は熱帯雨林よりも高い。
科学者はケイ藻特有の集光アンテナタンパク質FCPは優れた青い光と緑の光を捕らえる能力と極めて強い光保護能力を備えていることは、ケイ藻が海洋で繁殖できる重要な原因の一つとしている。ケイ藻は青い光と緑の光を捕らえ、深海での暗い環境に適応するため、その細胞は赤褐色となっている。同時に、FCPと結合したフコキサンチンとジアジノキサンチンは強い光保護メカニズムを形成し、ケイ藻が過剰の光エネルギーを熱に変換し、海水表面の急速に変化する光環境に適応するのをサポートする。
中国科学院植物所の研究者はサンプル精製の優勢と高解像度結晶の調製経験に基づき、極めて規則的なケイソウFCP結晶を取得した。葉緑素c分子はケイ藻や褐藻などの中の特殊葉緑素で、1つの葉緑素c分子が2つの葉緑素a分子とクラスタとなり、またそのうちの1つの葉緑素a分子と密接に結合する。各クラスタ内の葉緑素の距離は約0.35ナノメートルで、エネルギーの効率的な伝達を実現できることが構造解析で明らかになった。(編集HQ)
「人民網日本語版」2019年2月13日
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