劉慈欣氏
優秀なSF作品はテクノロジーについてより深く考える機会に
「三体」がヒューゴー賞長編小説部門賞を受賞して以降、劉慈欣は注目を集めるようになり、「流浪地球」が大ヒットしたことで、「SFブーム」が起きた。このように中国国内でも、SF文学に対する注目度は上がるばかりだ。
安氏は、「『三体』にしても、『黄金原野』にしても、『流浪地球』にしても、ファンタジーや空想のSF作品ではなく、現在のテクノロジーの発展の動向に立脚したハードSF小説に属する。これは、最近のSF作家や映画監督が最も好むテーマ」だとの見方を示す。
中国のSF雑誌「科幻世界(Science Fiction World)」の姚海軍編集長は、「SF文学は、以前は一部のファンだけに人気だったが、今は少しずつ多くの人の視野に入るようになっている。中国のSF文学に対する注目度もどんどん上がっている。中国のオリジナルSF文学は何度も好調、不調の波を経験してきたが、今は好調の時期であるのは間違いない」と話す。
では、なぜ、SF文学が注目を浴び、人気となっているのだろうか?
「十二個明天」の中の「SF作品は、『今と昔の違いを生じさせているものは何なのか?』、『人類はどんな未来に向かっているのか?』、『変化する時代の中で、人々はどんな影響を受けているのだろう?』などと言った問題を深く考える機会を与えてくれる」という言葉はその答えとなっているかもしれない。
安氏は、「これら優秀なSF作品を通して、技術が今後どんな世界をもたらしてくれるのか、さまざまな課題にどのように対応すればよいのかなどを、よく理解することができる」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年5月9日