兵馬俑の上絵、剥がれやすい原因が明らかに

人民網日本語版 2019年06月17日12:48
兵馬俑の上絵、剥がれやすい原因が明らかに

秦時代の兵馬俑の表面には当初、色鮮やかな上絵が施されており、今にも動き出しそうな「地下軍団」だった。ところが2000年以上の埋蔵の間、兵馬俑は出火、穴の崩落、地下水の侵食などの破壊により、出土後には少量の上絵しか残っていなかった。出土状況によると、兵馬俑の上絵は漆、鉱物の顔料、礬水(調和剤)の3種が中心だった。上絵は漆を塗った後に施されていた。中国新聞網が伝えた。

西北大学文化遺産学院文化財保護学部の楊◆学部長(◆は王へんに路)によると、秦時代に使われていた顔料の多くが粒子状の無機鉱物顔料で、付着力が弱い。その付着力を強化し、上絵の安定性を高めるため、古代の人々はこの粒子の中に粘着性を持つ物質(礬水)を加えていた。これらを均等に撹拌した後、筆などの道具によって上絵を施していた。

西北大学と秦始皇帝陵博物院の共同研究により、礬水の分析に関する新たな成果が明らかになった。研究者は文化財が出土すると直ちに剥がれ落ちた上絵を集め、サンプル汚染の可能性を最大限に引き下げた。GC/MSを利用しサンプルのアミノ酸、脂肪酸、糖類物質を分析し、上絵の塗料の残留量と種類を導き出した。

研究結果によると、上絵で使用する礬水の選択には厳格な規定がなかった。職人たちは現地の材料を使用していたか、各自の習慣に基づき礬水を選択していた可能性がある。時代が古く埋蔵されていた時間が長いため、兵馬俑の上絵の塗料は失われたか分解されており、残留量が極めて少ない。これが剥がれ落ちやすい重要な原因ではないかとみられている。そのため出土後は直ちに上絵の固定処理を施す必要があるとしている。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年6月17日

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