解読できれば10万元!
2016年11月、中国文字博物館が発表した「甲骨文字解読優秀成果の募集・選考・奨励のお知らせ」が注目を集めた。
中国文字博物館の公式サイトのスクリーンショット
「お知らせ」によると、まだ解読されていない甲骨文字の意味を解読し、専門家委員会の鑑定で解読が認められた場合、1文字につき10万元が授与される。また、議論中の甲骨文字を解読し、専門家委員会の鑑定で解読が認められた場合、1文字につき5万元が授与される。
同博物館の黄徳寛・館長によると、甲骨文字解読専門家委員会の審査を経て、第1期募集では、2人の解読が優秀成果と認められ、懸賞金が授与された。一つは、蒋玉斌さんの甲骨金文の「蠢」の文字の解読と関連の問題の説明で、一等賞を獲得。もう一つは首都師範大学の王子楊さんの甲骨文字の『阱』の解読で、二等賞を獲得した。
甲骨文字のうちカギとなる字を解読できれば大きな意義
中国文字博物館は今年5月にも「第2期甲骨文字解読優秀成果の募集・選考・奨励のお知らせ」を発表した。奨励の内容は第一期と同じだ。募集の締切期限は10月31日で、それ以降は受け付けない。
資料写真・授業で甲骨文字を教えている武漢の大学。画像は甲骨文字を使った学生の宿題(撮影・王文)。
甲骨文字の解読の難しさについて、黄館長は、「甲骨文字一文字の考証には、往往にしていろんな問題が関係している。解読されているものも、これまでの学者が積み上げたものを基礎にして論証されている。甲骨文字の考証には、何世代にもわたる学者の努力が必要だ」と説明する。
蒋さんは、「まだ解読されていない字も多いが、その多くが人の名前か地名。また、あまり出てこない字もある。そのうち比較的頻繁に使われており、文章を理解するうえで重要なカギを握る字を考証・解釈できれば、文字、言語、歴史、文化の研究にとても役立つ」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年10月28日