「帰省中に両親から小言を食らう」大学生8割以上 (3)

人民網日本語版 2020年01月22日14:10

問題解決のための「秘訣」は、意見交換と相互理解

南方科学技術大学学生工作部心理成長センターの張阿佩氏は、取材に対し、「中国の文化には含みをもたせる習慣があるため、両親と子供が本音をはっきり言葉にして相手に伝えようとすることが少ない。コミュニケーションを取る際には、可能な限り、相手の『言葉以外のメッセージ』に耳を傾けなければならない。たとえば、両親が『帰ってきても遊んでばかりで家のことを何もしない』と言った場合は、その言葉の裏には『よく帰ってきたね。お父さんお母さんと一緒に過ごそう。家事をしてくれてもいいし、おしゃべりに付き合ってくれてもいい』といった思いが含まれている。そして、子供の『私に帰って来いと言ったのは父さんと母さんの方じゃないか』という言葉の裏には、『家に帰ってきたのは、父さん母さんの喜ぶ顔が見たかったからで、叱られるために帰ってきたのではないよ』というメッセ―ジが込められている」と指摘した。

実のところ、両親あるいは子供に関わらず、誰もが、互いに理解し合い、仲良くしたいと望んでいる。廖竜瑞さんの母親は、休みが終わり学校へ戻る際には、「生活費はちゃんと足りているの?」と繰り返し尋ね、家に帰るとテーブルに並ぶのは彼の好物ばかりだという。新学期が始まる時には、彼が大学に戻るのを母親はとても名残惜しそうに見送ってくれるという。この別れの時には、母と息子の間で起きた不愉快な出来事は全てどこかに吹き飛んでしまう。だが、それでも、廖さんは腰を据えて両親とじっくり話しをすることはなかった。彼は、両親と自分の意見が一致しなかった時に、自分が両親を傷つけてしまうようなことを言ってしまうのではないかと恐れたためだ。

蕭旭さんと母親との「冷戦」は、約半月続いた。彼女の誕生日当日に母親が娘に2千字に及ぶ長い手紙をしたためたことで、ようやく2人の冷戦は終わりを告げた。手紙には、蕭さんが進学のために家を離れたのち、彼女に言いたかったことが綴られていた。蕭さんは、「その時、私はすぐに母の寝室に行って、母を抱きしめた。2時間ほどお喋りして、問題は完全に解決した」とした。

徐晴さんは、時々、自責の念に駆られるという。それは彼女がいつも自分の不満な気持ちをイライラしながら娘にぶつけてしまうことで、娘が次第に反抗的になってしまったのではないかという思いだ。「今度、娘が家に帰ってきたら、ストレートにぶつけるのではなく、少しずつ自分の考えを娘に伝えたい」と徐さんは思っている。

親子間の些細な食い違いから生じた問題を解決するのは難しいことだが、双方が共に努力して、問題を最大限減らすことは可能だ。張阿佩氏は、「大学生が自分の本心を直接口に出せないような場合は、メールや手紙を書くという方法を試してみても良い。あるいは、実際の行動で両親に示すことも可能だ。例えば両親に昼食を準備してあげたり、自発的に家事を引き受けるなどだ。そうした行為を両親に見せることで、問題が自然に解決する場合もある。家庭というものは、家族が互いに愛を与え合う場所なのだから」との見方を示した。(編集KM)

「人民網日本語版」2020年1月22日

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