ハリウッド大作で中国人が世界を救うシーンが増加
これまで、ハリウッドの大作映画で世界を救うヒーローは専らアメリカ人だったが、現在は中国人がそれに取って代わろうとしている。悪役を演じるか、カンフーを披露する役として出演するだけだのことが多かった中国の俳優が、中国での興業収入がウナギ登りになるに従い、多くのハリウッド大作の中で世界を救うヒーローの仲間入りを果たしているのだ。長江日報が報じた。
「ゼロ・グラビティ」、中国の宇宙ステーションが主役を救う
現在、中国大陸部でも上映中の「ゼロ・グラビティ(Gravity)」(アルフォンソ・キュアロン監督)は、「神級」と呼ばれる人気作品。シンプルなストーリーであるものの、人の心を引き付けるものがある。そして、中国の映画ファンを最も喜ばせているのはラストシーンに登場する中国初の宇宙ステーション実験機「天宮一号」だ。2009年の古代マヤ人が予想した人類滅亡説に基づく「2012」(ローランド・エメリッヒ監督)の中でも、世界の最後の避難所であるノアの箱舟が中国で作られるというくだりがあった。しかし、スペースシャトルから出てミッションを行っている途中にスペースシャトルが大破し、無重力空間に放り出されてしまったサンドラ・ブロック演じるライアン・ストーンが「天宮一号」を探し出し、宇宙船「神舟一号」に乗って地球に帰還する姿ほどのインパクトではなかった。「ゼロ・グラビティ」の前半で描かれている主人公たちの孤独や恐怖、絶望などは全て「天宮一号」の登場の「お膳立て」にさえ感じられる。そのため、中国の映画ファンは興奮気味に「これまで誰も右に出ることを許さなかったアメリカ人が最後に中国人の助けを必要としているなんて、画期的」との声を上げている。