王羲之の写し、故宮専門家が疑念
NHK、共同通信などの報道によると、中国・東晋代の「書聖」王羲之の作品の唐代の最新の写し「大報帖」が、このほど日本で発見された。東京国立博物館が鑑定した結果、写しは7-8世紀の唐代宮廷書家の作品の一部であることが分かった。著名拓本専門家で故宮博物院の研究員を務める王連起氏は9日取材に応じ、ネット上で公開された画像を見ると、唐代の写しかどうか結論を下すことはできないと述べた。「東方早報」が伝えた。
王氏は9日に「東方早報」の取材に対し、「ネットで画像を見ただけで、実物は見ていない」とし、日本側が示す唐代の写しとの見解に対し王氏は「ネット上の画像を見た限りでは、疑問が浮かぶ。筆跡が太めの字が多く、過去に確認された王羲之の書跡の唐代の写しとは大きく異なる。『姨母帖』の筆遣いとも異なる」と語った。
王氏は「当時の日本の遣唐使が日本に持ち帰った証拠があれば、唐代の写しと考えてよい」と指摘。しかし「東方早報」記者が東京国立博物館公式サイトの情報を閲覧したところ、そのような根拠は示されていなかった。王氏は唐代の写しかどうかについて結論を下せないとしたが、「この写しを鑑定された富田淳氏は旧友であり、選別眼の厳しい学者だ」とも語った。
「大報帖」の発見は書道愛好家の間で熱い話題となっている。ある著名書道家はブログで、「書道愛好家が今回発見された『大報帖』と過去にオークションされた『妹至帖』をつなぎ合わせると、1枚の紙のようになる。1枚の書がある時期に2つに切断された可能性もある」と記した。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年1月11日