中日ハーフの役者・浅野長英さん「日本兵以外の役も演じたい」
中国映画「南京!南京!」(09)やドラマ「我的兄弟叫順溜」(09)、まもなく公開されるジャッキー・チェンの新作「十二生肖」などに出演し、中国で「旧日本軍人の専門役者」として活躍する中日ハーフの俳優がいる。中国紙「成都商報」が報じた。
浅野長英(中国語名・耿長軍)さん(33)だ。長崎県出身の浅野さんは上海戯劇学院の俳優科で演技を学び、役者の道に進んだ。周囲からは「小黒(シャオヘイ)」の愛称で親しまれ、現在は中国で放映中の人気ドラマ「民兵葛二蛋」で旧日本軍人の吉田役を熱演している。
「今後は日本軍人役という殻を破って、より人間味のある役柄を演じたい」と語る浅野さん。ドラマ撮影の裏話や演技、今後の夢などを聞いた。
■ドラマで共演した人気実力派俳優・黄渤について
-----中国人のように流暢に中国語を話されるので、プロフィールを見て気付いたのですが、中国人と日本人のハーフなんですね。
そうです。父親は東北地方出身の中国人で、母親は日本人です。小さい頃から日本で育ち、2000年に中国に戻ってきました。偶然、上海戯劇学院に受かったので役者の道に進みました。
-----今回のドラマ「民兵葛二蛋」の中では、黄渤や高虎と共演していますね。二人はいつも山東方言を話していますが聞き取れますか?
実は、半分以上聞き取れていません。黄渤との共演シーンで、シナリオには黄渤が幼い頃どのように殴られたのかを語ると書いてありました。シナリオ通りに、黄渤の話を真剣に聞いて、彼とおしゃべりをしなくてはいけませんでしたが、実はそのシーンでも黄渤は山東方言を話していて、何を言っているのか全く分かりませんでした。その撮影をしている時は、とても面白かったです。
-----黄渤は台湾の金馬賞主演男優賞を受賞した俳優ですが、黄渤の演技についてどう思いますか?
ドラマの中の二蛋は黄渤だからこそ演じられる役柄ですね。ほかの人だとあんなふうにはいかない。例を挙げると、初めて黄渤に会った日、自分のシーンの撮影を終えて、周りの人に黄渤が現場に入ったかどうか聞いていたら、エキストラの人ごみの中から黄渤が歩いてきて、あいさつしたんです。完全に劇中の役柄に溶け込んでいて、全く気付きませんでした。