中日書店事情 ネットに押されるリアル書店、その行く末は? (2)
経営の苦しいリアル書店も後追いで値引きするしかなく、道に特設ブースやワゴンを置いて消費者にアピールするものの、売れ行きは依然として厳しいままだ。しかもワゴンに置かれているセール商品は基本的にすべて古い書籍であり、新刊の割引率はオンライン書店とは明らかな差がある。
日本では、オンライン書店が掲げる送料無料や高い値引率が多くの読者を引き付け、すさまじい勢いでリアル書店を追い込んでいる。このほかにも、サイトが独自で企画する定期的な各種プロモーションやランキング表なども読者が直感的に書籍内容を理解し、本を選ぶのに役立っている。ネット上では読者の間で、感想を伝え合うなど、コメントによる交流が展開されている。この点も、リアル書店で書籍を購入する際には実現できないことである。
■リアル書店は如何にモデルチェンジするべきか?
ジュンク堂新宿店では撤退前、店員たちが自分の好きな本を選び、それぞれハガキ大の紙に書評を簡潔に書いて店に置いていた。その中には人にはあまり知られていない書籍のきらっと光る部分が書かれているものもあった。このニュースが広がると、多くの人が店内に訪れ本を買っていた。また顧客を引き付けるだけでなく、店員たちの推薦の書評自体も好評を博し、営業売上は急上昇した。
書店が次々と閉店していく中、熱い議論も始まっている。「本当に心に沁みるいい作品を見落としているのでは?」「そうした作品にスポットライトを当てるのはどうしたら良いか?」「出版業界は値下げ競争や『売れる作品』の制作・宣伝ばかりに気を取られるのではなく、読者の気持ちを推し量るべきなのでは?」-----。
台湾の誠品書店はリアル書店の美しいモデルチェンジを目指して、「生活書店」というキャッチコピーを掲げている。台北市の旗艦店では、店舗を9つのエリアに分け、地下3階から5階の駐車場を除く8つのエリアのうち、書籍を販売するのは3階のみ。ほかのエリアは食品や衣料品などを販売している。大陸部と香港のリアル書店が軒並み活気を失う中、誠品書店は「書店は必ず赤字」というジンクスを打ち破り、今後も両地で店舗拡大を行っていきたい、としている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年4月12日