安くなくなる「Made in China」 物価が日韓に肩を並べる可能性も
日本の物価の高さは世界的に有名だ。日本に行ったことのある友人によると、日本でスイカ一個を買うのに必要なお金で、北京のスーパーなら1ダース買えるという。英誌エコノミストは以前、世界で最も物価の高い都市として東京を挙げた。だが高い物価に慣れている日本人は、最近落ち着けなくなってきたようでもある。なんと中国産野菜が国産よりも高くなったからだ。経済参考報が伝えた。
日本経済新聞の記事によると、日本の卸売市場では中国産野菜の価格が高騰。タマネギやニンジンは1年前と比べ2-7割高くなった。「特にタマネギは過去14年間で最高の値をつけた。すでに国産野菜を上回ったものすらある」。東京都中央卸売市場の統計によると、2月の中国タマネギの卸値は1キロ112円で、国産よりも13%高かった。
日本での中国産野菜の高騰には、もちろん特定の要因がある。第1に異常気象。日本メディアによると、今年中国では天候不良の影響で多くの野菜が生産量が減った。中でもタマネギの生産量は例年の7割前後しかなかった。第2に海外需要の増加。中国産野菜の主要市場はアジアだ。韓国でも野菜の生産量が減少し、中国からの輸入を拡大した。日本側によると、韓国は今年、中国産タマネギを以前の2倍輸入した。需給が逼迫すれば価格上昇は避けがたい。
この他、円安の問題もある。安倍政権発足以降、円安は約10%進んだ。為替レートの変動に対応して、中国野菜も1割高くなった。円安がさらに続けば、中国産の価格が上昇し続けるのは必至だ。
だが中国産野菜の総生産量のうち海外供給分は小さな割合を占めるに過ぎない。野菜価格上昇の根本的原因は、やはりコストの上昇だ。これには土地、人件費、化学肥料などのコストが含まれる。様々なコストが積み重なって価格も上昇する。実は中国産野菜の高騰を最も肌で感じているのは中国の庶民だ。
中国産野菜の状況は、まさに「Made in China」の1つの縮図だ。過去30年間ずっと「Made in China」は品質が良くて値段が安いことで世界中でよく売れてきた。だがここ数年、品質の良さは元のままだが、価格が上昇した。上昇し続けるコストを前に、一部企業は生産拠点を中国沿岸部から内陸部へ、あるいはベトナムやカンボジアへ移転せざるを得なくなっている。