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椎名保氏:中国と日本は映画を通じてわだかまりを消せる

 2013年10月25日、第26回東京国際映画祭が閉幕した。閉幕式では、東京国際映画祭のディレクター・ジェネラルに新しく就任した椎名保氏は「今回の映画祭はちょうど2度の台風の合間の静かな期間に開催できた。これはまさに天の恩恵だ」といい、また「東京オリンピックまであと7年間、7年の間に東京国際映画祭は7回あるので、みなさん、毎年東京に来てください」とアピールした。中国広播網が伝えた。

 閉幕式でのあいさつはユーモアと希望に満ちていたが、実際、東京映画祭の開催責任者としては、映画祭や映画市場に対する懸念はこれまでと変わらない。記者は最近、東京映画祭の現状と未来に関する資料を手に入れることができた。

 記者会見の席上、海外の記者から東京映画祭があまり「国際化」していないという不満が出たことに対して、椎名氏はやるせない表情でさらに各国と、特にインド、タイ、トルコなど比較的距離がある国との提携や交流を強化していきたいと語った。

 同時に、椎名ディレクター・ジェネラルは、「東京映画祭が世界的な影響力をより高め、東京映画祭での受賞作品がオスカーやその他の映画祭での受賞に並ぶようにしたい。また、東京映画祭はどのように若い映画製作者を発見し、育てていくかを考える必要がある。若い監督もとくにこの映画祭や映画製作のコンペティションに参加できるようにしたい。このほか、東京映画祭に特色を持たせるため、将来的にもっとも日本の特色のあるアニメを映画祭の正式コンペティション部門とする考えだ。これは、映画祭が直面している3つのおもな課題だ。しかもこの一切の問題は、すべてひとつの問題に帰着する。つまり『東京映画祭はなぜあまり国際化しないか』という問題だ」と語った。

 記者から同様に若い監督の発掘をしようとしている韓国プサン映画祭からかかるプレッシャーについて聞かれたとき、椎名氏は個人的にプサン映画祭がとても好きで、プサン映画祭は優秀な若い監督を集めている映画祭ではあるが、プレッシャーという点からいえば、さらに多くのことを学んでいきたいと話した。言葉からは全世界から新進気鋭の監督に注目したいという気持ちが現れていたが、日本政府の映画祭や映画産業へのサポートが韓国や中国よりに遠く及ばないことへの些細な不満も感じられた。

 中国映画市場の爆発的な成長傾向について、椎名ディレクター・ジェネラルは、それを肯定し、期待を寄せる一方で、中国市場に日本映画打開のさらに大きな突破口となってほしいと希望した。中国の多くの問題は、日本を含む他のアジアの映画、欧州映画が映画館での上映機会があまりに少ないことにある、と彼は遺憾の意を示した。中国の映画市場がさらに開放され、現在は既に世界第二位の映画市場になった中国はさらに懐を広げれば、ハリウッドを超える日も近いと語った。

 昨年、中国映画の棄権が相次ぎ、中国映画関係者の欠席が映画祭にかなりの影響を与えた。中日間の敏感な関係について、椎名氏は記者に対し「確かに中日関係は、政治も経済もかなり面倒な状態になっている。これは映画産業にもある程度影響があることだ」といい、だが、彼は映画には、その力と使命があると考えているという。中日両国の観客は映画を通じて理解を深めることができる。今年、第8回となる中国映画ウィークもまさにこの目的で開催される。彼にとって映画は最も国境のないものだ。(編集EW)

 「人民網日本語版」2013年10月30日

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