(1)産業構造の調整が穏当に推し進められた。技術革新と新興産業の育成面で著しい成果をあげた。研究開発費支出のGDPに占める割合は2.09%に達し、所期目標を達成した。無人月面探査機「嫦娥三号」、有人宇宙船「神舟十号」、有人深海潜水艇「蛟竜」など重要なイノベーションの成果は世界の注目を集めた。省エネ・環境保護、新世代の情報技術、新エネルギー、ハイエンド設備製造、新素材など戦略的新興産業は発展のテンポを速め、第4世代移動通信(4G)システムの大規模な商用化をスタートさせた。ハイテク製造業の付加価値は11.8%伸び、一定規模以上の工業の付加価値の伸び率を2.1ポイント上回った。また、在来産業の業態転換・高度化を加速し、生産能力過剰による矛盾の解消にも力を入れた。具体的には、深刻な生産能力過剰の業種の盲目的拡張を断固食い止める通達を公布したこと、深刻な生産能力過剰の矛盾解消に関するマニュアルと関連政策・措置を打ち出して、鉄鋼、セメント、電解アルミ、板ガラス、船舶などの業種における深刻な生産能力過剰の矛盾解消に力を入れたことが挙げられる。そして、サービス業の発展環境を改善した。具体的には、情報関連の消費や養老サービス業、健康増進サービス業などの発展を促す政策・方針と全国物流パーク発展計画を打ち出したり、サービス業総合改革のモデル事業を引き続き推進したりするといった取り組みを行った。これにより、サービス業の付加価値は8.3%伸び、GDPに占める割合が46.1%に達し、初めて第二次産業を超えた。そのほか、基礎的産業の発展も加速した。鉄道の新規営業開始距離数は5586キロ――そのうち、高速鉄道は1672キロ――となり、自動車道路の新規建設距離数は7万300キロ――そのうち、高速道路は8260キロ――となった。1万トン級以上のバースが110ヵ所整備されたほか、新設した民用空港は10ヵ所となった。さらに、エネルギーの生産は安定を保っている。原炭、原油、天然ガスの採取量はそれぞれ0.8%、1.8%、9.4%伸びた。エネルギー構造をいっそう改善したことで、一次エネルギー消費量に占める非化石エネルギーの割合が9.8%に達し、前年度比0.4ポイント上昇した。
(2)都市と農村の発展の一体化が秩序よく進んだ。「強農・恵農・富農」(農業を強化し、農民に実益をもたらし、農民を豊かにする)政策を真剣に実施し、中央予算枠内の投資に占める「三農」関連支出の割合は半分を超えた。それによって、農業の総合生産能力が高まり、食糧総生産高は6億200万トンに上り、「十年連続の増収」を実現するとともに、肉類、タマゴ類、牛乳、青果、魚介類など農産物・水産物の供給も安定を保った。農業分野での科学技術進歩の寄与度は55.2%に上り、前年度比0.7ポイント上昇した。また、農村の安全な飲料水の普及率を88.5%に高め、農村送配電網を21万1000キロ新規建設・改良し、農村自動車道路を新たに21万キロ建設・改修するとともに、メタンガス利用農家を新たに80万世帯増やし、農村の老朽家屋を266万戸改修した。容量440万トンの食糧備蓄倉庫、114の農産物卸売市場の整備を支援した。中央が新しいタイプの都市化を積極的かつ穏当に推進するための全面的な布石配置を行ったことにより、国による新しいタイプの都市化関連計画の策定がほぼ完了した。常住人口の都市化率は53.73%に達し、前年度比1.16ポイント上昇した。