――国際収支の基本的均衡を保つ。対外貿易の輸出入総額の伸び率を7.5%前後とし、サービス貿易の発展を加速させる。対外投資を引き続き増やし、外資利用の総量の安定を保ち、その構造をさらに適正化する。輸出入の安定的成長を促す政策の役割をさらに果たすことは、企業の自信を強め、対外貿易の安定した成長を保つ上でプラスとなる。しかし一方で、国際市場の競争が激しさを増し、投資と貿易面において保護主義の台頭が顕著になっていることにより、輸出状況はなお極めて厳しく、外需の保持と拡大もかなり大きな圧力にさらされている。
上述の経済・社会発展の所期目標を実現し、2014年度の経済関連の取り組みをしっかり行うに当たっては、あくまで安定を保ちつつ前進を求めて、改革と革新を堅持することに軸足を置く必要がある。したがって、引き続き積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施し、コントロールの方法や手段を絶えず充実させ、その先見性、的確性、協調性を強化することが求められている。
引き続き積極的な財政政策を実施する。今年度、全国の財政赤字を前年度予算に比べ1500億元増の1兆3500億元とし、そのうち、中央財政赤字は9500億元、中央が代理発行する地方債は4000億元とし、財政赤字の対GDP比を2.1%で安定させる。政策の重点としては次のようなものが挙げられる。①構造的減税政策を充実させ、営業税から付加価値税への試験的な切り替えの範囲を拡大し、小企業・零細企業向けの租税優遇政策を拡充し、企業年金と職業年金の発展を奨励する財政・租税政策を実施する。②支出構造を調整・最適化するに当たっては、財政資金を民生の保障と改善に重点的に振り向け、農業、教育、社会保障、医療衛生、環境保護、科学技術などの分野への傾斜配分を行う。「三公経費」の支出を厳しく抑制し、行政コストの削減に努める。③増分資金の適正利用をはかり、既存資金を有効活用するとともに、繰越金・剰余金の定期整理の仕組みを確立し、資金運用の統一性、計画性をさらに高める。④地方政府系債務への管理を強化し、地方債の発行を主体とする地方政府の資金調達の仕組みづくりを急ぎ、合理的でかつ規範化した中央と地方政府の債務管理体制とリスク早期警報の仕組みづくりを促進する。
引き続き穏健な金融政策を実施する。今年度の広義のマネー・サプライ(M2)の所期伸び率を13%前後とする。政策の重点は次のようなものが挙げられる。①さまざまな金融政策の手段を総合的に用いて、マクロ・プルーデンス管理を強化し、マネーサプライ・銀行貸出と社会融資の規模の安定した適度な拡大を維持するほか、適度な規模の流動性を保ちつつ、通貨・金融面での安定した外部環境をつくる。②金融の資源配分を最適化し、増分資金の適正利用をはかり、既存資金を有効活用し、資金の回転を速める。金融機関が「三農」や小企業・零細企業、構造調整への支援を行うことを奨励し、導き、実体経済の発展や産業の形態転換・高度化面における金融のサポート能力を高める。金融市場や金融商品および市場主体の多元化した発展を促し、直接金融の割合を引き上げる。③金融監督・管理・協調メカニズムの健全化をはかり、信用貸付、債券、資産運用、同業業務(銀行・金融機関間の取引)、信託など業務上のリスクに対する監督・管理を強化し、金融の系統性(システミック)リスク・地域性(リージョナル)リスクが生じないよう最低安全ラインを守る。クロスボーダーの資本移動への監視を強化し、大規模かつ異常な資本移動によって経済、金融の動きにゆゆしき衝撃がもたらされるのを防ぐ。人民元の為替レートが合理的な均衡水準において基本的に安定するよう努める。