国務院発展研究センター世界発展研究所の丁一凡副所長によると、東風汽車はPSAの株式の14%を取得して大株主になった。これまでと違うのは、これから中国の消費者はより満足いくプジョー車を買えるようになるということだ。PSAが中国の消費者向け車種を設計するとしているからだ。
劉副院長によると、中国政府の航空機購入は、外交戦略や国家戦略に基づく部分が大きい。航空機の合意であれ、自動車の合意であれ、今回の習主席の訪欧によってすぐに成立したものではなく、長い時間をかけた交渉の成果だといえる。
▽食品分野:中国・オランダが粉ミルクの安全性で提携
中国とオランダの間で調印された18件の合意のうち、2件は乳製品に関わるものだ。一つは中国・オランダ乳製品枠組合意、もう一つは伊利集団とオランダのワーゲニンゲン大学との間で締結された食品安全保障システムの共同建設に関する合意だ。
枠組合意に基づき、オランダはこれから専門家を中国に派遣し、今後数年間をかけて中国の生乳の年間生産量が400億キログラムに達するよう支援する。昨年は353億1千万キログラムだった。現在は大量の消費者にゆきわたるだけの乳製品は生産されておらず、生乳の生産量を増やせば、中国の消費者の乳製品需要はある程度まかなえるようになる。
丁副所長は共同建設に関する合意について、一種のイノベーションだとの見方を示す。欧州の食品監督管理は、一般的に非常に厳格だからだ。一つの合意で全局面を変えることは難しいが、中国の食品の安全性が一歩改善することは確かだという。
伊利集団の潘剛董事長(会長)によると、こうしたシステムにより牧場の管理といった生乳生産の川上部分の技術に対し、率先して開発が行われるようになる。開発が終われば、中国は州連合(EU)と同じ歩調で乳製品の検査システムを運営できるようになるという。