帰省のお伴はiphone--横行する「中国式見栄」 (2)
経理関係の仕事に就いている梁氏は、「中国人は心底メンツが好き」と指摘する。彼は帰省する前、オーダーメードでスーツをしつらえ、iphoneの海賊版を買ってアップルのロゴを貼り付けた。これらにかかったお金は1千元あまり。だが、家に帰ると、iphoneは5千元、スーツは2千元以上したと吹聴した。このような小細工をしても、帰省にかかったお金は総額で3千元以上と、彼にとって大きな負担だった。
馬さんは、「故郷の人に目新しいものを見せたり、田舎の親戚や友人が知らない言葉を発しないと、大都市に馴染んでいないと思われる」と指摘した。
○大事なのは心からの親孝行 年越しは自分の実力相応で
心理的カウンセリングを専門とする張主任は、「新年を祝うことは、中国伝統文化の中でも最も大切な行事であり、年越しは人々に多くの意味がある。お金があってもなくても故郷に戻って新年を祝い、新年の贈り物をし、普段は食べないご馳走を食べる。このように新年を祝って初めて本当の年越しと言える。ほとんどの人は、給料はそれほど高くないのに、ある種の『メンツを保ちたい』という心理は働いてしまう。だから、自分の能力をはるかに超えて『見栄』を張って帰省する」との見方を示した。
張主任は、「僅か数日のお正月だが、その日々はとても長い。1年のうちお正月は数日だけだが、人々の生活スタイルは変化している。新年の無駄な出費は根絶すべきだ。メンツのために分相応な出費をすることはできない。自分の実力に応じてやれば良い」と指摘した。
社会学が専門の付氏は、「『中国式見栄』は、メンツを保つためのもので、見栄を張る人は、他人の眼に映る自分のイメージを極端に重視する。しかし、はっきりさせておかなければならないのは、親孝行というものは、使ったお金の額の大小ではなく、自分がどれだけ孝行心をもっているかが決め手となる。自分の実情と能力に応じた親孝行を実行すべきだ」と語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年2月18日