中国の大学生7割「自分は下層または中下層」
中国社会科学院がこのほど発表した「社会青書」の一部に、12大学の在学生・卒業生2千人以上を対象とした調査報告が掲載された。1980年代生まれと1990年代生まれの大学生は、押し並べて就業に対する自信に欠け、自分自身に対する満足度が低く、「個性」を重視する傾向にあることが、同報告から明らかになった。また、回答者の過半数は、政治に関心があり、公的政策の意思決定に参与する能力を備えていると自負していることも判明した。中国青年網が報じた。
■大学生の自分に対する満足度、持ち家の「ある・なし」が決め手
今回の調査は、12大学の在学生と卒業生を対象に実施された。有効回答者は2126人、このうち1980代生まれが全体の7割、1990年代が約3割を占めた。
就業と現在の自分に対する評価において、2012年の学部卒業生のうち、就職口を見つけることができた人は76.6%にとどまった。在学生は、就職の見通しについて決して楽観視しておらず、「順調に就職が決まると思う」と答えた学生はわずか3割だった。
1980年代・1990年代生まれの卒業生の大多数にとって、転職は日常茶飯事になっている。2011年の学部卒業生のうち、「1、2回仕事を変わった経験がある」人は6割を上回った。就業問題は、「自分の現状」に対する満足度と直接深い関係がある。在学生のうち、自分の現状に「ほぼ満足している」人は2.4%のみ、卒業生になるとこの割合はさらに低く、1.6%だった。
統計データによると、社会人になって3年を経過した時点で、自分名義(既婚の場合は配偶者名義も含む)の住宅を持っていない人の割合は67.3%、社会人経験5年の場合は41.9%だった。報告は「持ち家がある卒業生の自分の現状に対する満足度は、持ち家がない卒業生に比べてはるかに高い」と分析している。