2013年6月26日    ホームページに設定人民網モバイルニュース配信メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
人民網日本株式会社事業案内  更新時間:08:20 Jun 26 2013

広東省、小包の郵送に実名制導入へ

 広東省は今年下半期、物流業者の小包を対象に、実名制を試験的に導入することを検討しているという。気になる企業や個人情報の保護に関しては、最新の科学技術を採用して対応する。広州日報が報じた。

小包をめぐる詐欺に注意

 1.「郵便局に違法薬物が入った小包があるのですが、あなたのものですか?」。こんな電話がかかってきたら100%詐欺だ。広東省公安庁禁毒局の王均科・局長は、「本当に違法薬物が入った小包を発見したら、公安部門は電話で確認するようなことは絶対にしない。そうすれば、内密情報を漏らすことになる」と指摘している。

 2.空港で知らない人から荷物を絶対預からない

 26日の国連が提唱する「国際麻薬乱用撲滅デー」を前に、同省の禁毒(麻薬撲滅)委員会や公安庁、裁判所、食品・薬品監督管理局、文化庁、税関などは24日、共同で記者会見を開催した。今年の同省のテーマは「合成麻薬を拒絶し、平和な広東省を作り上げよう」。近年、物流業者を通して違法薬物を郵送し、密輸売買する手口が横行しているといい、同省の関連の部門は、今年下半期に郵便物の実名制配送を、導入することを検討している。

靴箱に覚醒剤を隠し中国全土に郵送する組織摘発

 2011年11月中旬、広州警察は、ある物流会社から、「劉勤」という名前で遼寧省瀋陽市と河北省秦皇島に送られる靴の箱2口から、合成覚醒剤・アンフェタミン約200グラムを発見したという通報を受けた。

 その後、警察は、「劉勤」という偽名を使っていた任容疑者を筆頭とする、物流業者を利用して覚醒剤を密売するグループを突き止め、摘発した。同グループは電話やインターネットを通じて購入者と連絡を取り、物流業者を通して違法薬物の入った小包を速達で郵送していた。購入者は小包を受け取った後、銀行のカードなどを利用して、代金を指定の口座に振り込んでいた。同グループは物流業者を利用して、中国全土の14省、34都市の購入者に違法薬物を郵送していた。

広州で死体を郵送する事件が3件発生

 王局長によると、近年、物流業者を通して中国国内外から違法薬物を郵送し、密輸売買する手口が日に日に増加している。昨年1年でも、公安機関は広州白雲国際空港で、中国全土に郵送される予定だった小包230個から、違法薬物を発見した。また、同年、同空港の税関も、違法薬物が入った国際スピード郵便の小包55個を没収した。物流業者を通して郵送される物は、違法薬物に留まらず、事件の被害者の死体や拳銃、爆弾、偽造通貨など、多岐にわたっている。

 広州市を例にすると、容疑者が被害者を殺害した後、物流業者を通して死体を中国のさまざまな場所に送ったという事件が3件発生している。王局長によると、「この3件の事件のうち、2件の容疑者は物流会社で働いた経験があり、同業界の管理には抜け穴があることを知っており、そこをついていた」という。

 物流業者では、「実名制度」が採用されておらず、検査も行われていないという抜け穴が、各種犯罪やテロなどに悪用されており、改革や監督、管理の強化が急務だ。
 
 王局長は、「同省の禁毒委員会などの関連の部門は、長期にわたる調査や研究、論証を経て、今年下半期より、物流業者の郵便物に実名制を試験的に導入することを検討している」ことを明らかにした。昨年1年間、同省の物流業者から郵送された郵送物は12億5千万個以上で、大きな産業となっている。

偽名が使われると送り主の特定が困難

 王局長は、「実名制度が導入されていない携帯やインターネット、郵便物が、犯罪者にとって恰好の犯罪チェーンになっている」と指摘。さらに、「物流業者から送られる郵便物に実名制度が導入されていないため、送り主を特定することができず、公安機関の捜査にとっては大きな障害となっている」という。また、燃えやすい物や爆発物、拳銃や弾薬も物流業者の小包を通して、中国全土に拡散しており、国家や公共の安全、消費者の権益に大きな危険をもたらしている。広州市では、報復のために物流業者を通して爆弾が郵送されたケースが2件発生している。

 一方、物流業者に実名制が導入された場合、個人情報がきちんと保護されるのかというのが、最も多い懸念だ。それについて、王局長は、「実名制度を採用する場合、最新の情報化、スマート化技術を最大限活用し、情報の監督・管理を強化し、企業や市民の個人情報、さらに社会の公共の安全が保護されるように務める」と指摘。「物流業者の郵便物に対する実名制導入は、確かに難易度の高い問題だが、できる限りの手を尽くして実現させる」と強調した。 (編集KN)

 「人民網日本語版」2013年6月26日

印刷版|コピー|お気に入りに登録
  • 分かち合うへrenren.com
  • 分かち合うへt.qq.com
みんなの感想

名前

コメントを書く コメント数:0

   

最新コメント
  週間アクセスランキング
  評 論
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集

地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古