「秦アニキ」の中国風ハンバーガー、NYで人気上昇中
米国の華字メディア報道によると、中国陝西省に伝わる庶民の軽食「肉挟◆(中国風パンに煮込んだ肉を挟んだ料理)」が、米東海岸エリア特にニューヨークで、ひっそりと人気上昇中という。ブームの火付け役は、清華大学を優秀な成績で卒業し、ウォール街でアクチュアリー(保険数理士)として働く王瑞氏が作る「秦アニキ(英語名:CHINGER)」肉挟◆だ。一見したところ「中国風ハンバーガー」のような「肉挟◆」は、米国で新たなグルメブームを巻き起こし、「春巻」と同じように米国人の大好物になる日は近いと見られる。
「秦アニキ」はネット上で数多くの評判・コメントが寄せられ、飛ぶように売れている。よその州からやって来たお客や、多くの外国人にもファンが増えている。「泰アニキ」の肉挟◆は、本国の定番である「豚肉肉挟◆」と「羊肉肉挟◆」をベースとして、材料や調理法にさらに改良を重ね、「クミン入り羊肉」、「クミン入り牛肉」、「野菜」バージョンなども新たにメニューに追加された。
NYクイーンズ地区エルムハーストの肉挟◆店の共同経営者である王瑞氏は、清華大学建築学部を卒業後渡米、MBAを取得して金融業界入りした。会計士として働く彼は、「よその店の肉挟◆は、ただ作っただけの商品だが、私達の肉挟◆は計算によってできたものだ。数量化・規格化という経営コンセプトを武器として、中華料理シェフの勘と舌に頼るだけという従来の方法から、大いなる飛躍を試みた」と述べた。
王瑞氏はMBA取得後、金融業界に入り、プログラマーの仕事を経て、メリルリンチ証券で資産運用管理士として働き、現在は某保険会社でアクチュアリーの仕事をしている。緊張を伴う保険の仕事をしながら、中国式ファースト・フード・チェーン店を立ち上げるという考えを、長い間心の中で温めていた。
昨年末、数店のレストランを経営している友人が、王氏に仕事の誘いを持ちかけた。2人は、経営理念から将来構想に至るまで、様々な事を話し合い、意気投合した。米国では、複数の職を持つことはごく当たり前のことだ。王氏は、昼間は保険会社で働き、終業後はただちに「秦アニキ」の仕事に没頭した。準備から開店までの間は、連日夜中まで心血を注いだ。
米国で中国式ファースト・フード店を開店するにあたり、王氏が直面した最大の困難は、商品の「現地化」に関する問題だった。中国式ファースト・フードである限り、中国料理の風味を維持しなければならないが、同時に現地米国人の好みにも合う味で、彼らに受け入れられなければならない。この問題を解決するために、王氏は多大な時間を割いた。たとえば、多くの中国人が大好きな「クミン入り羊肉肉挟◆」だが、米国内では羊肉が手に入りにくく、羊肉の選択肢が少ない上、米国人はほとんど羊肉を食べない。米国市場での主流は牛肉だ。このような状況から、「秦アニキ」の「クミン入り羊肉肉挟◆」から派生して、米国人向けの「クミン入り牛肉肉挟◆」が誕生した。この商品は、米国人に大いに受けた。
王氏は、「伝統的歴史と独特の風味を持つ中国の軽食・肉挟◆を、中華料理界の『バーガーキング』にしたい」と述べた。彼の店は、現段階ではまだ小さいが、将来はチェーン店舗数を数十店、さらには数百店にまで拡大することが目標という。(編集KM)
◆=しょくへんに莫
「人民網日本語版」2013年11月19日