■人口爆発の可能性はなし
同政策が中国全土で実施されると、計1500-2000万人に同政策が適用され、1年当たり新生児が新たに100万人増加すると試算されている。
南開大学(天津市)人口・発展研究所の原新・教授は、「現在、中国の一人の女性が一生に産む子供の平均数・合計特殊出生率(TFR)は、1.5―1.6に下降している。『単独二孩』政策が実施されると、1年間の新生児の数は1800万人で死亡者数に近い水準になるだろう。そのため、調和のとれた人口発展となる」と予測している。
張副所長は、「中国は少子化が進み、多くの人が出産を望まなくなっており、出生数が大きく増加しなければ、逆にそれは懸念すべき問題」と指摘している。
上海を例にすると、同政策適用となるのは約30万世帯。しかし、上海に住む人の出産意向は低く、今後3-5年以内は、毎年新生児が新たに1-2万人増加する状況が続き、急激に増加する可能性はないと見られている。
人口爆発の可能性はないものの、同政策の実施が一部で始まったに過ぎないにもかかわらず、医療や入学などが困難な現在、これら関連の政策の準備はできているのかと疑問を投げかける声も上がっている。
■人口と経済の調和した発展
中国国務院が展開している人口発展戦略研究によると、中国の人口は15億人以下に制御し、TFR約1.8を維持するのが最善とされている。それを大きく超えたり、逆に大きく下回ったりすると、人口や経済社会の調和した発展に悪影響を及ぼす。
張副所長は、「中部地域は依然として人口が多く、東部地域が都市化を進めるにつれ、多くの人が東部の沿海都市に集まるようになっている。これらの人口をいかに合理的に分布させるかというのが、今後の課題。中西部地域の環境は非常に悪く、人口が密集するのには適していないのに対して、東部の沿海地域は人口が集まりやすい地域となっている。今後、いかに人口と経済社会の調和した発展を促すかというのが、大きな課題」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年2月12日