投資環境改善で中国が提供できる6つのもの
中国は長年にわたり世界で最も多くの対外直接投資を利用した発展途上国であり、法律を遵守して経営を行う各国の投資家による国内での投資・起業を歓迎している。それでは投資環境の改善に着目した場合、中国は何を提供することを承諾できるだろうか。何を提供することを承諾できないだろうか。「人民日報」海外版が伝えた。
中国は他の発展途上国に比べて廉価な人材コストという「優位点」を提供することは承諾できない。これは確かなことだ。中国の賃金水準は上昇を続けており、中国政府は賃金上昇によって国民に発展の成果を分配する必要に迫られている。いつまでも低賃金を国際競争における「優位点」としているわけにはいかない。
中国は底なしの、「財政ダンピング」とでも呼べるような財政・税金面での優遇措置を打ち出すことも承諾できない。そのような措置は相互利益の原則に背き、持続不可能なことが確実であり、国民や国内外の投資家に良好な公共サービスを提供するという中国政府の能力を弱めることが確実だからだ。
中国は環境保護の要求を無視した「環境ダンピング」を承諾することはできない。中国の目標である「美しい中国の建設」と全く折り合わないからだ。
だが中国が投資家への提供を承諾できるものは、ほかの多くの国が提供できないもの、あるいはすべて提供することはできないものだ。
中国は次の6つのものを提供できる。
(1)良好なマクロ経済の安定性
「中国が暴落する」という人為的に作られたうわさがあちこちから聞こえてくるが、確かな事実は、中国の経済成長には他の国ほど大きな浮き沈みがないということ、中国の政府と企業の部門がかかえる負債はほとんどが資産に釣り合っているものだということ、中国の財政状況は全体として大国の中で最も好調だということだ。これらすべてのことにより、中国政府はマクロ調整や経済の安定において、他国よりも大きな可能性を提供することが可能になっている。人民元相場の変動は他の新興市場の通貨の激しい変動ぶりとは大きく隔たっており、投資家が経営の中で直面する為替リスクを大幅に引き下げている。