トヨタ自動車の中国合弁会社、広汽トヨタと一汽トヨタはこのほど中国国家質量監督検験検疫総局に対して、一部のハイランダーとREIZ(日本名・マークX)のリコールを報告した。原因はエアバッグの安全問題で、カーテンエアバッグの無料交換を実施し、リスクを取り除く。証券日報が伝えた。
なぜ2社の合弁会社の異なる車種に、同じカーテンエアバッグの安全リスクが存在するのだろうか?記者が調査したところ、今回リコール対象となった広汽トヨタのハイランダー、一汽トヨタのREIZは、天津豊田合成合成有限公司(以下、天津豊田合成)が生産したエアバッグを供給されていた可能性がある。
トヨタはエアバッグの安全リスクを理由に、昨年4月より世界で大規模なリコールを実施しているが、中国がリコール対象となることは少なかった。自動車業界の有名アナリストの賈新光氏は、「中国には現在エアバッグの国家基準がない。各メーカーが使用しているエアバッグの基準は、メーカーが独自に設定した企業基準だ。エアバッグのリコールはメーカーの自主的な決定で、広汽トヨタと一汽トヨタは企業責任を果たした」と指摘した。
◆問題のエアバッグは天津豊田合成が生産
広汽トヨタと一汽トヨタは、「2014年3月10日より、9398台のハイランダーと757台のREIZ(計1万155台)のリコールを実施する」とするリコール報告を発表した。
今回リコール対象となった車に取り付けられている、前部・後部座席のカーテンエアバッグのガス発生器の本体と拡散器に溶接問題があり、カーテンエアバッグの膨張が不十分になり、乗客保護の効果を発揮しないため、安全リスクが存在している。両社はリコール対象車のカーテンエアバッグのナンバーを検査し、リコール対象車のカーテンエアバッグの無料交換を実施し、安全リスクを取り除く。