日本の内閣府が12日に発表した今年4月の景気ウォッチャー調査の結果によると、景気の現状に対する判断を示す指数が41.6ポイント(p)となり、前月を16.3p下回った。この低下幅は2011年3月に東日本大震災が発生した時に次ぐものだ。低下の主な原因は、4月に消費税率が引き上げられて、小売を筆頭に各産業の売上高が減少したことにある。
こうした情況を受けて、内閣府は10カ月ぶりに月例経済報告の基調判断を下方修正した。これまでの「緩やかな回復基調」という表現を「緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる」に下方修正した。
今年4月1日、日本では消費税率が5%から8%に引き上げられ、引き上げに伴う内需の落ち込みに耐えられるかどうかが、日本の経済情勢を判断する重要な指標になった。現在の情況から考えて、主要産業では駆け込み需要の反動としての売り上げの落ち込みが想定の範囲内に収まっている。4月の景気ウォッチャー調査の結果をみると、各家庭にため込まれたストックは2-3カ月で徐々になくなり、スーパーの売り上げは少しずつ回復している。家電や自動車の売り上げは消費税率引き上げ前より20%ほど減ったが、7月のボーナス支給時期には回復する見込みという。
現在、円安の副作用が激化している。日本の財務省が12日に発表した13年度の国際収支(速報値)をみると、日本と海外との実物、サービス、投資などの取引情況を反映する経常収支は7899億円の黒字(100円は約0.98ドル)で、比較可能なデータがある1985年以降で最も少なかった。日本の経常収支の黒字は3年連続で減少傾向にあり、ここから外貨を稼ぐ日本の力が大幅に衰えていることがわかる。今年3月には、経常収支の黒字が1164億円となり、前年同月比90%減少した。
昨年4月に日本銀行(中央銀行)が金融の超緩和政策をうち出すと、円安幅は25%に達した。燃料の輸入価格が高騰し、数量も激増して、日本は数カ月連続で貿易赤字が出現した。日銀は輸出が増加すると予測したが、いまだに実現していない。内閣府がまとめた統計によると、12年度には製造業の海外生産比率が過去最高の20.6%に達した。アベノミクスの作用で円レートが徐々に下がっても、生産の回流には限界がある。日本の輸出の年増加率は昨年10月にピークを迎えて18.6%となったが、今年3月は1.8%まで落ち込み、過去一年間で最低の水準となった。日本の輸出の半数を占める対アジア輸出はわずか1.4%の伸びにとどまった。